4万円で体験も「世界のビジネスジェット」事情 オーナー以外も搭乗できる機会がある欧米

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2018年に登場した7人乗りのホンダジェット エリートは、約525万ドル~(約5億7200万円)となっている。

プライベートジェットで最も安い価格帯となるのがアメリカのシーラス・エアクラフトのビジョンSF50。エンジンが単発の超軽量型ではあるが、ホンダジェット エリートと同じ7人乗りにもかかわらず、約200万ドル(約2億1800万円)と半額以下におさまる。最大巡航速度は時速300ノット(約556km)とプロペラ機並みだが、ジェット機には変わりない。

それでも億単位の金額である。そこで中古車ならぬ中古飛行機を探してみることにする。中古飛行機の売買サイトであるcontroller.comによれば、2020年1月初旬の調査時点で最も安かったのは1968年製のリアジェット23。6人乗りで6万9000ドル(約753万円)。機齢50年以上でどのような状態なのかわからないが、金額だけをみれば、ちょっとした高級車と変わらない。

高額な維持費

だが、プライベートジェットにかかる費用は機体だけではない。飛んだ分、ジェット燃料が消費されるし、空港の着陸料も発生する。さらに飛ぶたびにパイロットへの支払いも必要だ。さらに所有しているだけでも、空港での駐機代、さらに法定整備費用や保険料も毎年のしかかってくる。

ホンダジェット エリートを6名で共同購入したことで話題となったホリエモンこと堀江貴文氏によれば、こうしたコストは1名あたり年間約1400万円に及ぶとのこと。なお、機体は仙台空港に置き、必要に応じて成田空港に呼ぶらしい。

ここまでは、自分でプライベートジェットを「保有」する場合の金額について見てきたが、やはりどうしても費用が高くつく。必要に応じてプライベートジェットを利用する形態の場合はどのくらいかかるものなのだろうか。

プライベートジェットの個人利用を扱う「ジャパンプライベートジェット」のサイトによれば、静岡空港から大島空港まで6名乗りのセスナ・サイテーションCJ2+を利用した場合、片道90万円+消費税。最大定員での6名利用の場合、1名16万5000円+消費税ほど。このほかに空港ハンドリング費用が必要となる。

さまざまな規制と高コストから、日本にはプライベートジェットが57機(2016年末、国土交通省)しか存在しない。それに対して総機数1万9153機におよぶプライベートジェット大国アメリカでは、プライベートジェットのオーナーが飛行機を遊ばせずに、第三者に貸すサービスが進んでいる。片道利用する際、回送する区間を切り売りするもののほか、余った空席を販売するものもある。

プライベートジェットを扱うアメリカのサイト「XO」では、フロリダ州のフォートローダーデールからバハマまで、1席635ドルで売られていた。

例えばXOというサイトでは、日時の確定したプライベートジェットを格安で利用できる。具体的に見てみよう。フロリダ州のフォートローダーデールからバハマまで7名乗りのエンブラエル フェノム 300が1名あたり635ドル(約6万9000円)で切り売りされていた。

非会員の場合、395ドル(約4万3000円)が追加されるが、595ドル(6万4800円)の年会費を支払えば、何名で利用してもこの395ドルが免除される。

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