「閉ざされた記者会見」でゴーンは何を語るのか 日本のメディアはほぼ入れない

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レバノン人ですら彼に対して冷ややかになりつつある。ベイルートには多くの有力な友人がいるが、ツイッターを見ると、多くのレバノン人は大変厳しいコメントをしている。「ゴーン氏(が望んでいるとされる)レバノン政界でのキャリアは絶対にありえない。庶民がそれを許さないから」と、フランス人ベテランジャーナリストのサミー・ケツ氏は言う。

レバノンに到着した直後、ゴーン氏の気分は晴れ晴れしていた。妻や最も親しい友人たちと再会できて喜んでいた。「しかし今彼は憂慮している」と、ゴーン氏の知人は打ち明ける。レバノンも所詮もう一つの刑務所なのだということに徐々に気づき始めている、というのだ。

経済危機とデモで揺れるレバノン

日本の法の裁きから逃亡した同氏は、まもなくほかのほとんどの国へ行っても逮捕されるという事態に直面することになる。普通の人にとっては、一つの国に住むことはごく当たり前のことだ。外国に行くことが許されなくても、さほど大きな打撃ではない。しかし、ゴーン氏にとっては違う。同氏はこれまでの人生でつねに世界を飛び回っていた。

が、これから先はたとえ逮捕されなくても、経済危機や反政府デモなどで揺れるレバノンで過ごさなければならない。ベイルートはかつて「東洋のパリ」と呼ばれていたが、今は長引く景気低迷や政治腐敗などで街はかつての活気を完全に失っており、市民たちでさえこの街にうんざりしている。人通りはまばらで、店舗もからっぽだ。市民は通常1週間に200~300ドル以上の現金を引き出すこともできない状況だ。

また、現在ベイルートで妻キャロル氏と暮らしている家も手放さなければならないだろう。そもそもこの家の所有権は日産にあり、ゴーン氏らは立ち退くよう求められている。こうした状況下では、たとえ会見がうまくいったとしても、ゴーン氏が手に入れる「自由」はたいして素晴らしいものではないだろう。

レジス・アルノー 『フランス・ジャポン・エコー』編集長、仏フィガロ東京特派員

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Régis Arnaud

ジャーナリスト。フランスの日刊紙ル・フィガロ、週刊経済誌『シャランジュ』の東京特派員、日仏語ビジネス誌『フランス・ジャポン・エコー』の編集長を務めるほか、阿波踊りパリのプロデュースも手掛ける。小説『Tokyo c’est fini』(1996年)の著者。近著に『誰も知らないカルロス・ゴーンの真実』(2020年)がある。

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