「閉ざされた記者会見」でゴーンは何を語るのか 日本のメディアはほぼ入れない
すべてを話す――。これは、1月8日レバノンの首都、ベイルートで開かれる記者会見に向けてのカルロス・ゴーン元日産自動車会長の言葉だ。2018年4月のインタビューの後、公の場で語るのはこれが初めてとなる。
一言でも何か語ったら直ちに収監されていただろう、と彼はおそれていたという(実際には昨年4月記者会見をすると予告したとたんに再逮捕された)。今こうしてレバノンに逃れたので、自分の思いを自由に話せるようになった、というわけだ。この記者会見に向けて世界から約100人と言われるジャーナリストが集まってきている。
近しいメディアのみ招待されている
が、実際のところ、8日の会見ではゴーン氏は多くを語らないのではないか。今回の招待された記者の多くは、一連の事件について詳しいわけではなく、質問は大まかなものになることが予想される。そもそもゴーン氏は、テレビのレポーターには愛想がいいが、自分の都合の悪い記事を書く新聞や雑誌記者には会いたがっていない。ゆえに、フランスやレバノンの自分に近しいメディアや記者を中心に招待しているようだ。
レバノンの有力紙ロリアン・ル・ジュールの記者は、「ゴーン氏は、ロリアン・ル・ジュールの記者を閉め出せないか考えていたようだ。レバノンで最も信頼されている新聞だが、以前掲載された記事が気に入らなくって嫌っているからね」と話す。
また、今回の会見には、日本のメディアはほとんど招待されておらず、日本のメディアで出席が許されているのは4社のみだという(ちなみに、筆者が執筆しているフランスのル・フィガロ紙は招待されているが、筆者は入場を許されていない)。
では、そんな“閉ざされた”会見でゴーン氏はいったい何を語るのか。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら