「閉ざされた記者会見」でゴーンは何を語るのか 日本のメディアはほぼ入れない

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目下、ゴーン氏は東京地検特捜部から役員報酬を過小に記載した金融商品取引法違反事件2件と、サウジアラビアの知人に日産資金を不正支出したことなどに伴う特別背任2件で起訴されている。すでに、有価証券の虚偽記載については、説明をしているので、特別背任2件について語ることになりそうだ。

また、ゴーン氏はアメリカのフォックス・ビジネス・ネットワークのキャスター、マリア・バーティロモ氏に対して、8日の会見で日産と日本政府にゴーン氏が「はめられた」証拠を明らかにするとも話している。

実は昨年4月に公表されたゴーン氏のビデオメッセージの中にも川口均元副社長らなど5人の日産側の幹部の名前は含まれていたが、弁護士の判断で消されていた。一方、政府側については政治家ではなく、経済産業省幹部の名前を挙げると見られる。また、ゴーン氏の調査を行ったアメリカの大手法律事務所、レイサム&ワトキンスについても語ると見られている。

外国メディアの同情は得られない

日本の司法制度についても話すことになるだろう。司法制度は被告人への偏見に満ちており、残忍だと非難し、小菅の東京拘置所での生活を語り、同情を求めるかもしれない。ただし、多くの外国メディアが同氏のいうことに共感することはあっても、逃亡したゴーン氏に同情的になることはないだろう。

ゴーン氏の保釈が認められたのは、同氏が日本に滞在することを司法当局が前提としていたからだ。今後、日本で起訴された人の状況は今まで以上に著しく悪化するだろう。外国人については、今後は裁判所が逃亡のおそれがあると考えるのでなおさらだ。ゴーン氏が日本に残っていれば日本の司法制度や恣意的な拘束の在り方について外国メディアの注意を喚起できたかもしれないが、逃げたとなれば話は違う。

仮に今回の会見が、「成功」したとしても、ゴーン氏が喜ぶ結果にはならないだろう。今度はレバノンに「拘束」されることになるからだ。映画監督のロマン・ポランスキーなどほかの逃亡者同様、ゴーン氏も2、3の限られた国へしか行くことができない。つまり、アメリカに住む子供たちに会いに行くようなこともできないのだ。

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