トヨタが静岡に創る「未来型都市」に映る危機感 世界中の知見集め、あらゆる最先端を詰め込む

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富士山のふもと、静岡県裾野市でその計画が進められる(筆者撮影)

筆者は、現在、アメリカのラスベガスで開催している世界最大級の家電・技術見本市「CES2020」(1月7日~10日)に参加しています。多くの企業が最先端テクノロジーを展示するなかで、筆者がもっとも注目したのが、日本を代表する企業であるトヨタ自動車が発表した次世代自動車産業への取り組みです。

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Toyota Motor North Americaから出された2019年12月19日付プレスリリースでは、トヨタはCES2020のプレスカンファレンスで新しいモビリティエコシステム戦略について記者発表をする、展示ブースでは「eパレット」などモビリティ・プロダクトとともにトヨタのエコシステム計画を紹介するとされていました。

こうしてトヨタへの注目が高まるなか、1月6日に行われたCES2020のプレスカンファレンスに豊田章男社長が登壇。そこで豊田社長が高らかに発表したのが、あらゆるモノやサービスがつながる実証都市「コネクティッド・シティ」プロジェクトでした。

自動運転、CASE、MaaSなどを導入・検証

この実証都市の場所は、富士山ふもとの静岡県裾野市。2020年末に閉鎖予定の東富士工場の跡地が利用されることになっています。着工は来年初頭、将来的には約70万平方メートルの広さとなるようです。

事前プレスリリースで「エコシステム」と述べられていた通り、トヨタは、世界中の企業や研究者に対してプロジェクトへの参画を呼び掛けています。参画パートナーとの連携を通して、人々が実際に生活をするリアルな環境のもとで自動運転、CASE、MaaS、ロボット、スマートホーム等などを導入・検証する実証都市を建設する。それが「コネクティッド・シティ」プロジェクトです。

その目的は、人々のくらしを支えるあらゆるモノ、サービスが情報でつながる時代を見据えながら、テクノロジーやサービスの開発・実証のサイクルを高速で回すことによって、新しい価値やビジネスモデルを生み出し続けること。参画する企業や研究者は、実際の街づくりが進められるなか、独自プロジェクトの実証実験も行うことができます。トヨタを中核とするプロジェクトの参画パートナー間には協調・相互依存関係がうまれ、共存共栄しながら相乗的に拡大する。まさにエコシステムが構築・拡充されていくわけです。

トヨタは、網の目のように道が織り込まれ合う街の姿をモチーフに、この実証都市を『Woven City』(ウーブン・シティ)と命名しました。

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