トヨタが静岡に創る「未来型都市」に映る危機感

世界中の知見集め、あらゆる最先端を詰め込む

このような中で、筆者はかねて、日本が「米中メガテックに次ぐ第三極」になるカギはトヨタにあると考えていました。

2018年、トヨタは新しいモビリティサービスの構築に向けてソフトバンクと戦略提携し、MaaS事業を展開するために共同出資会社「モネ・テクノロジーズ(MONET Technologies)」を設立しています。また現在も、トヨタにとっては、ソフトバンクグループとの連携によって、次世代自動車産業におけるレイヤー構造の下層にスーパーアプリとしてのソフトバンクグループの「ペイペイ」とLINEの「LINEペイ」が加われば、強力なエコシステムを構築できる可能性も高まるはずです。

コネクティッド化においても、競合に対する差別化となります。何より「サービスがソフトを定義し、ソフトがハードを定義する」時代に、研究開発費の量・質でトップレベルにあるトヨタが、自社グループの強力なサービスを基点にソフトやハードを生み出すことができれば、GAFAにも匹敵する大胆なプラットフォームが誕生する可能性もあるのではないでしょうか。

業界を超えた連携が進む

エコシステムで成り立つ「コネクティッド・シティ」、『Woven City』は業界を超えた連携が具現化されるものです。CES2020での「コネクティッド・シティ」プロジェクトの発表をうけて、筆者は改めて、トヨタは日本が「米中メガテックに次ぐ第三極」になる中核として機能する可能性を秘めていることを再認識しました。

ここ数年のCESにおいては、「GAFA×BATH」といったアメリカ、中国のメガテック企業などの躍進から、日本企業のプレゼンスが低下していました。しかし、今年のCES2020では、トヨタの「コネクティッド・シティ」に加えて、ソニーも、強みであるCMOSイメージセンサー、AI、クラウドなどのテクノロジーを活用することによってモビリティの安心・安全や快適さ・エンターテイメントなどを追求する「VISION-S(ヴィジョン・エス)」プロジェクトを展示、そのプロトタイプEV車も披露し、当地でも大きな話題となっています。

日本にとっては東京オリンピック・パラリンピックイヤーである節目の年2020年。日本を代表する企業2社がCESで存在感を見せるかたちとなりました。トヨタは「eパレット」を東京オリンピック・パラリンピックまでに走らせることを目指しており、どのようなサービスを実際に提供してくるのか、また今後ソニーがどのようにモビリティ事業を展開してくるのかに大いに期待しています。

この超巨大プロジェクトは日本のちょうど真ん中に位置する場所で進められる(筆者撮影)
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