「JR東日本アプリ」がなかなか面白い スマホはどこまで情報端末になれる?

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人間には聞こえない周波数の音を出す

そこでJR東日本が今回、導入したのが、3月4日に発表されたNTTドコモの「Air Stamp」というソリューション。人間には聞こえない周波数の音を出し、端末側で検知することによって、正確な入場・チェックイン情報を取得することができるものです。

これまでもドコモは「ショッぷらっと」で導入されているような「音のQRコード」の開発に力を注いでいましたが、今回はSDK(Software Development Kit)と認証サーバーを、契約した開発者に提供します。

セキュリティもかなり頑張っているようです。そもそもアナログデータなので、解析するのが難しいのですが、さらに、録音してほかの場所で使用することもできないようになっているようです(音波の中につねに時刻情報を埋め込んでいると考えられます。インターネットのセキュア通信にも同じ仕組みがあります)。

この技術って、以前、ニッポン放送が試験的に使用していた「トーンコネクト」の多機能発展版ですね。トーンコネクトでは、人間には聞こえない音を流すことが規制されているラジオの電波で、サイトのURLなどデジタル情報を発信するために、メロディにデータの情報を埋め込んで流していました。

電波による通信が主流になっている今ですが、音と光の通信は、音のスピードの遅さや、透過性のなさなど、その制約ゆえに、まだまだいろんな活用場所がある気がします! 今後の進化が楽しみです。

Tehu 慶応義塾大学1年生・デジタルクリエーター

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てふ / Tehu

1995年、神戸市生まれ。灘中学校、灘高校を経て現在、慶応義塾大学1年生。中学生の時にプログラミングに興味を持ち、2009年にiPhoneアプリ「健康計算機」を公開。ダウンロード数が無料アプリで世界第3位となり、話題となる。以後、「放射能計算機」、劇団ひとり監修の「僕の余生。」などのアプリ制作を続ける。2010年からUstreamで「Tehuのオールナイトニホン」を放送開始。米アップルの新製品記者発表を同時通訳する番組を定期的に放送し、人気を集める。2013年、グーグル日本法人元会長の村上憲郎氏との共著『スーパーIT高校生“Tehu”と考える 創造力のつくり方』(角川書店)を発売。現在、クリエーターとして多くの企業のプロジェクトに参加するほか、講演や雑誌連載など多岐にわたって活動している。中国籍で本名は張 惺(ちょう・さとる)。日本語、英語、中国語を操る。

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