環境要因は、物理的なものも含まれるとは思いますが、その多くは身近な人間関係です。ですから、心地よい環境をつくるということは、心地よい人間関係をつくることと同義なのです。
働く人が何に対して強い不安、悩み、ストレスを感じるか一覧にした厚労省のデータでは、つねに人間関係がダントツの首位ですし、実際の悩み相談内容の9割は、人間関係に関することであることからも明らかです。
ですから、不快や不満を感じる関係性を断ち切ることが望まれます。嫌いな人を無理に好きになる必要もありませんし、努力したところで基本、不可能です。以前からの付き合いだから断れない、何らかのメリットがあるかもしれないので嫌々付き合っているという関係性から、まずは、離れてみてください。
2.一緒にいると時間が経つのが早く感じる
3.必要以上に気を遣わなくても関係を保てる
(注)マナーは、どんな関係性でも必要です。
4.関わった後に元気になれる
5.フラットな関係でいられる(心理的に)
この基準で、付き合う人の優先順位を組み替えていきましょう。もちろん、仕事上など何らかのしがらみで、付き合いをやめることができない関係性も多く存在します。その場合は、コンタクトは必要最小限にとどめるようにしましょう。また、上記のいくつかが当てはまるとしても、損得を想定した関係性や会った後に精神的にどっと疲れたり後ろ向きな気持ちになるようではデメリットのほうが大きいので、距離を取ることをお勧めします。
付き合う人を変える勇気も必要
人付き合いを断つことを推奨しているわけではありません。ある程度の人付き合いを断つことに恐れを抱く必要がないということです。これで「縁が切れてしまうのでは」「友達がいなくなってしまうのでは」という恐れがある人もいるとは思いますが、実際にやってみると、それほどのものではないことがおわかりになると思います。
「孤独になるのでは」と心配な人ほど、人との関係性の中で自分の立ち位置を気にしている人です。物理的に1人という状態では、それほど孤独感を覚えず、反対に、グループの中で、違和感があったり居場所がないと感じるほうがずっと孤独でつらいものです。
人付き合いをやめたとしても、いっさい誰とも関わらないということではないですし、その分これまで関わってこなかった人との交流ができたり、違う交流が生まれることだってあります。
これだけ情報があふれている時代においても、学校などもそうですが、1つの環境の中にいると、それが世界のすべてだと思いがちです。するとクラスでいじめられたことで、もう自分の生きる場所さえなくなったと追いつめられていくのです。世界は広く、人もさまざまです。同じコミュニティーや人間関係の中で苦痛を感じているようなら、さっさと違う場所を見つけることにエネルギーを費やしてください。
柔軟な付き合いの中で、自分が自分らしく振る舞えるようになると、知らず知らず自信につながり、人との関係性も変わってきます。自分自身を認められるようになると、人のことも認められるようになり、相手への関わり方が変わってきます。自分のよいところが見つけられるようになると、人のよいところが目につくようになるのです。自分が心地よいと思う関係性を大切に、お付き合いを見直してみてはいかがでしょうか。
不必要なものはさっさと捨てて、心地よい環境をつくり、穏やかな気持ちを少しでも多く持てる日々を過ごせる毎日にしていきましょう。とはいえ、一気に生活環境を変えることは難しいと思いますので、できるところから少しずつ始めてみてください。皆さまのより豊かな生活につながりますように。
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