経営危機の「JDI」がそれでも潰れない理由

100億円の不正会計疑惑で第三者委が調査へ

2012年に日立製作所、東芝、ソニーの中小型液晶パネル事業を統合して誕生したJDI。「中小型ディスプレイ事業でグローバルリーディングカンパニーを作る」と、2000億円を出資して後押ししたのが官製ファンドの産業革新機構(INCJ)だったが、2019年3月期まで5期連続で最終赤字と経営不振が続いている(2019年4~9月も赤字)。

売上高のおよそ60%を占める米アップルとのビジネスで、スマートフォンiPhone向け取引が厳しい価格と不安定な数量で利益を出せなかったからだ。統合会社ゆえの高コスト体質に加え、アップルからの前受金で新設した白山工場の稼働低迷も重荷になった。

2017年からは経営再建のため新たな支援先を探してきた。今年4月に台湾の2社、中国の1社を資金の出し手とする「Suwaコンソーシアム」から最大800億円の資金支援を受けることで合意した。しかし、台中3社が立て続けに離脱してしまった。

引くに引けないINCJ

この間、資金をつないだのはINCJだ。Suwaからの資金調達までのつなぎ資金として2019年4月以降に200億円の短期貸付けを3回行って支援してきた。

実は春先にJDIでは法的整理が検討されていた。

今年3月末時点でJDIの有利子負債のうち1820億円分(連帯保証を含む)はINCJが用立てており、それとは別にINCJはJDIの普通株式として投資残高ベースで326億円(簿価ではなく出資と回収の差額)を保有している。3月末までに法的整理となっていれば、INCJが持つJDI関連の支援残高2146億円(1820億円+326億円)は大半がこげ付いたはず。逆にいえば、最大損失は2146億円でとどまったことになる。

しかし、Suwaからの出資を当てにしてつなぎ融資を繰り返したことでINCJが持つ債権は600億円増加。9月末のJDIの有利子負債2457億円のうち2420億円をINCJがまかなう状況になった。倒産した場合の最大損失額は2746億円に膨らんでいる。

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