2020年の日経平均株価はいくらになるのか? 長期上昇トレンドが続く条件は何か?
これを相場の変動範囲を示すKチャート(ページの最後を参照)で詳しく見たらどうなるのでしょうか。まず、2020年の価格レンジを考える際、始値と終値は2019年の「(ティピカル値)TP」とし、高値はTP+15%、安値はTP-10%としました。
ティピカル値とは、「高値・安値・終値の平均値」で、海外でよく使われる値です。日、週、月など、ある期間の価格推移を1つの価格で代表するときに用います。高値をTP+15%、安値をTP-10%としたのは、指数の年間の変動幅が20%程度だといわれていることを踏まえ、少し上振れ期待を大きく見込んだものです。
直近(チャートの右端)の値は、次のようになっています。株価群の95%が存在すると想定される範囲(水色帯の下端から桃色帯の上端までの範囲)は、 9949~3万9551円。株価群の75%が存在すると想定される範囲(水色帯と桃色帯に挟まれた範囲)は、1万3414~2万9334円。一方、有名なボリンジャーバンドの±2σは、5225~2万4106円。回帰値は1万9836円、移動平均は1万4665円です。
2013年に安倍政権の発足を好感して大幅急騰し高値圏(桃色の帯)に入った後、連続して高値圏を押し上げるように推移していました。しかし、2018年には陰線となって高値圏を下放れました。続く2019年は陽線でしたが、水準的には2018年とあまり変わらない横ばいの推移となりました。
上昇を続ける高値圏からは2018年よりも離れてしまい、調整の印象が強くなりました。下の方からは、上昇しつつある緑色の線が近づいてきており、2020年にはこの線をまたぐ可能性も出てきています。
緑色の線は回帰値といい、通常は、株価は回帰値を中心として下値圏(水色の帯)と高値圏の間を往復するように推移します。もっとも、1970~1985年は上昇傾向を続ける回帰値に沿った推移となり、1990~2003年は下値圏に沿った推移となりました。強いトレンドが発生している場合には、セオリー通りの推移とはなりません。
2020年末に2万5000円突破なら、長期上昇確認
また、回帰値は上昇局面では下値支持、下降局面では上値抵抗となる場合があります。1969年には上昇して回帰値をまたいだものの、翌1970年は陰線となって伸び悩みました。逆に1974年には下落して回帰値をまたいだものの、翌1975年には陽線となって反発しました。したがって、2020年に下落して2万円を割り込む場面があったとしても、回帰値が下支えとなって下げ渋ることが期待されます。
もし、2020年の高値が2018年の高値を上回り、2020年末に向けて2万5000円を超えてくるようなら、2012年に端を発した長期上昇相場が続いているととらえることができます。
その場合、2003年と2009年を底としたダブルボトムの形状が維持されていることになります。ダブルボトムを抜けた後の高値のメドは、ダブルボトムに入る前の高値といわれています。いよいよ、1989年の史上最高値を奪還する軌道に入ったのでしょうか。新年早々、ただの妄想で終わらないことを祈りたいものです。
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