男の子は「鶏口より牛後になるべき」深い理由 名物校長が語る「自己肯定感の高め方」
「大学に受からずそのまま引きこもってしまった」「弁護士試験を諦めて、働く意欲もないまま数年が過ぎた」、そんな話を聞くたびに「負ける経験を早く!」という、焦りにも似た思いが私の中に湧いてきます。ですから、学校選び・チーム選びというチャンスがあるなら、とにかく上へ上へとチャレンジし、集団の中で負ける経験をしてほしいのです。
「負けた自分とどう向き合うか」が自己肯定感を育む
例えばスポーツが得意な子の学校選び。「A校に行けば全国大会に出られるかもしれないけど、レギュラーにはなれない。でもB校なら全国大会には出られなくても、レギュラーとしてやっていける」。男の子の自己肯定感を考えると、一見B校に行って、レギュラーとして活躍したほうがいいように思えます。「成功体験を積んだほうが自己肯定感は高くなる」と考えると、これが正解のように思えるからです。
しかし、成功体験というのは、実はそんなに単純なものではないのです。本当の成功体験というのは、単に勝つことではなく、「負けたり、失敗した状態から立ち直ること」。つまり何かを克服した経験こそが、本物の成功体験であり、自己肯定感はそのような経験から育まれるものなのです。
皆さんも経験からおわかりだと思いますが、私たちはうまくいったときには、自分自身を振り返ることをしないものです。自分に向き合うのは、負けたときや、失敗したときのはずです。「どうやったら次に勝てるだろう」「同じ失敗をしないためには、どうしたらいいのだろう」。そのような試行錯誤の中で、人は成長していきます。
先の男の子はA校にいけば、3年間レギュラーになれないかもしれません。もしかするとベンチにすら入れないかもしれない。そんな自分と向き合い、自分をどう構築していくか。それが男の子の人生に厚みを加えていきます。そして、ちょっとやそっとの失敗では折れない心を作り上げていくのです。
皆さんももしかすると、「体育会系の出身者は、レギュラーかどうかにかかわらず就職で有利」などという話を聞いたことがあるかもしれません。多くの方は「体力と根性があって、元気だから」などと思っているかもしれませんが、事の本質はそこではありません。
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