iDeCoとNISA、税制改正で「得する人、残念な人」 メディアも見落とす加入条件とリスクに注意
個人型確定拠出年金のiDeCoへの加入についても「国民年金の加入者であること」という大前提があります。サラリーマンで厚生年金に加入している人は自動的に国民年金にも加入することになるので問題はありません。今回の税制改正大綱により、iDeCoの加入年齢が65歳まで引き上げられた場合、60歳以降も継続雇用で厚生年金に加入している人はiDeCoに加入できます。
しかしながら、自営業やフリーランス、無職の人の場合、原則は60歳までしか国民年金に加入することができません。公的年金の財政検証を受け、今後国民年金の加入年齢上限を65歳まで引き上げることが議論されると思いますが、それが決定しない限り、これらの人たちはiDeCoに65歳まで加入することはできないのです。
2階建ての「新たなNISA制度」はややこしすぎる?
NISAについては、以下の改正点が示されています。
①現行の「つみたてNISA」の非課税措置の設定期間を5年延長する
②現行の「一般NISA」の終了に合わせて新たなNISA制度を創設する
③現行の「ジュニアNISA」は廃止する
問題となるのは②でしょう。新たなNISAとは、大雑把にいえば、2階建ての制度とし、1階部分は年間20万円を投資信託商品のみで積み立て(現行のつみたてNISAと同様)、2階部分は102万円まで株式などを含めた金融商品で運用できるとされています。具体的なオペレーションがどのようなものになるかは不明ですが、想像するだけでややこしい仕組みになりそうです。すでに「従来よりも複雑な制度になる」などと批判的な声が上がっていますが、その仕組みの善し悪しついては、ここでは議論しません。
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