だから人は本を読む 福原義春著

拡大
縮小
だから人は本を読む 福原義春著

「私という人間は、今まで読んだ本に編集されてでき上がっているのかもしれない」。そのとおりなのだろう。幼少の頃から親の本を読み漁り、長じては古今東西の古典や気に入ったさまざまな分野の本を貪欲に読破し吸収してきた様が語られる。忙しくて本が読めないという人には、「そんなに忙しければ顔を洗わなければいい。どうして本を読むのだけ」は忙しいというのか、は至言だ。そして細切れでも「読書する習慣」をつくることを勧めている。

「古典を読む意味とは」「読書を通じた知によって本当の価値を知る」「本離れで表現ができない日本人が増えている」など読書の本質と効用が語られるが、中でもウェブ情報頼りで本を読まなくなれば戦略や構想する能力が枯渇するという警告は重要だ。

「読書で仕事が磨かれた」資生堂での体験は説得力があり、終章の出版界への苦言と提言は著者ならでは。読書の季節にふさわしい好著である。(純)

東洋経済新報社 1575円

    

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
パチンコ、「倒産」と「リストラ」ドミノの深刻背景
パチンコ、「倒産」と「リストラ」ドミノの深刻背景
空前の中学受験ブーム、塾業界の子ども争奪戦
空前の中学受験ブーム、塾業界の子ども争奪戦
そごう・西武、後釜に「ヨドバシ」が突如登場の衝撃
そごう・西武、後釜に「ヨドバシ」が突如登場の衝撃
AGCが総合職の月給3万円アップに踏み切る舞台裏
AGCが総合職の月給3万円アップに踏み切る舞台裏
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT