「コネ採用」軽視する社員が見落とす超メリット 紹介会社よりも「人脈を頼る」時代が来ている

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

そんないいことずくめの「コネ採用」=「リファラル採用」ですが、1つ難点があります。それは「お金やブランドがいらない採用」は「お金やブランドがあってもできない採用」でもあるということです。つまり、やれば誰でもできるわけではないのです。

攻めの採用である「コネ採用」=「リファラル採用」は、営業の仕事のような側面があり、売れる営業・売れない営業がいるように、人をたくさん紹介してもらえる採用担当者もいれば、似たようなことをしても全然紹介してもらえない採用担当者もいるということです。率直に言うと、担当者の対人影響力、コミュニケーション能力で成果に差が出るということです。

広告や人材紹介をメインとする「待ちの採用」は、お金やブランド、および戦略の正しさがあれば、一定の成果が出ていました。ところが、現代の「コネ採用」は、担当する個人の能力に依存する手法です。いい採用担当者さえいえれば中小でもベンチャーでもいい採用ができます。いなければ大企業でもできません。

いい採用担当者がいても、転職や異動でいなくなれば、それだけで会社の採用力はガタ落ちです。コネ採用は「安定感のない手法」とも言えるのです。実際、ある会社では実力のある採用担当者が転職してから、まったく人が採れなくなってしまいました。

求められるは「優秀な採用担当者」の確保

結局、現代の「コネ採用」である「リファラル採用」を安定的に実現するためには、プロの採用担当者をいかに継続的に確保できるかが勝負になります。

1つの方法は、外部に求める採用アウトソーシング(RPO:Recruitment Process Outsourcing)です。例えばヘッドハンターをヘッドハントして自社だけのためにヘッドハントをしてもらうようなことです。

もう1つの方法は継続的にすごい採用担当者が出現するような人材育成体制や、人事ローテーション(トップ営業マンを採用に異動させるなど)を確立することです。このように「コネ採用」は簡単なものではなく、「できる人がやらないとできない」というシビアな採用でもあるのです。

曽和 利光 人材研究所 社長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

そわ としみつ / Toshimitsu Sowa

株式会社人材研究所 代表取締役社長、組織人事コンサルタント

京都大学教育学部教育心理学科卒業。リクルート人事部ゼネラルマネジャー、ライフネット生命総務部長、オープンハウス組織開発本部長と、人事・採用部門の責任者を務め、主に採用・教育・組織開発の分野で実務やコンサルティングを経験。人事歴約20年、これまでに面接した人数は2万人以上。2011年に株式会社人材研究所設立。現在、人々の可能性を開花させる場や組織を作るために、大企業から中小・ベンチャー企業まで幅広い顧客に対して諸事業を展開中。著書等:『知名度ゼロでも「この会社で働きたい」と思われる社長の採用ルール48』(東洋経済新報社、共著)など。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事