新型「ディフェンダー」71年目の大刷新の全貌 ランドローバーの本格4WD車は何が変わったか

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後日、舞台を横浜から東京に移して、(ほぼ)最終生産型の公開となった。このときランドローバーのデザインを統括するチーフデザインオフィサーのイギリス人ジェリー・マクガバン氏も本社デザインセンターから来日。新型ディフェンダーの見るべきところを、教えてくれたのだった。

ランドローバーのデザインを統括するジェリー・マクガバン氏(写真:LEON編集部)

「ランドローバーは大きくいうと3つの柱で構成されています。洗練性のレンジローバー、多様性のディスカバリー、そして堅牢性のディフェンダーです。それでも10年前は、ランドローバーといえば4バイ4(4WD)の専門メーカーというイメージでした。私がデザインの立場から経営にも携わるようになって以来、デザインを武器に、そこからグローバル・パワーブランドへ変わっていこうと提案したのです」

ロンドンのサビルローにあるヘンリープール&Co.で仕立てたブルーの上下に身を包んだマクガバン氏が使った「パワーブランド」という言葉が面白かった。要するに、高い性能に裏打ちされたブランド力、ということだろう。花もあれば実もある、と日本語にすることもできるかもしれない。

ディフェンダーもモデルチェンジした

「ディフェンダーも例外ではありません。かつては波打つようなプレスのボディパネルに、リベットむき出し。それに標準規格の丸型ヘッドランプや平板なウィンドウグラスというのがディフェンダーの特徴でしたが、次のモデルは、アイコン的な要素は残し、高い走行機能を持たせ、そのうえでブランドイメージに従って、新しいデザインを採用したのです」

ルーフをはじめ初代のイメージを活かした新型(写真:LEON編集部)

新しいディフェンダーは、221kWの最高出力と400Nmの最大トルクを持つ1997cc4気筒ガソリンエンジンを搭載し、フルタイム4WDシステムが組み合わされている。ボディは2タイプ。2587ミリのショートホイールベースの「90(ナインティ)」は全長4583ミリ、全幅2105ミリ、全高1974ミリ(金属バネ仕様)だ。

もう1つは、ホイールベースが3022ミリと長い「110(ワンテン)」。同じ出力の2リッターエンジンを搭載しつつ、ボディは全長5018ミリ、全幅2105ミリ、全高1967ミリだ。こちらは4ドアで、7人乗り仕様も用意される。

マクガバン氏が残した、いわゆるアイコン的なデザイン要素は、第1にシンプルなシルエットだ。「社内の笑い話があるんです。わが社のCEOでも描けるかたちを目指そうと」。マクガバン氏はそう言いながら、ルーフ後方に設けられた「アルパインライト」ウィンドウ、横開きのテールゲート、外付けスペアタイヤなど、オリジナルの特徴を生かした要素を挙げる。

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