シャノアールと「ふちねこ」の意外と深い関係 カップのふちにかける「フィギュア」が人気
さまざまな市場に大きな影響を与えている猫ブーム。ある老舗のコーヒーチェーンでも、変革のきっかけに猫ブームが絡んでいた。
ベローチェ、コーヒーハウス・シャノアールなどのカフェを展開するシャノアールは1965年創業。フランス語で「黒猫」を意味する名称は、フランス・パリにある同名の喫茶店に由来する。創業者である中村脩氏の、カフェ文化を日本に根付かせたいという思いがもとになっているという。
フルサービス形式のシャノアール、そしてセルフサービスのベローチェも、クラシックなインテリアや、比較的ゆったりとした空間づかいなどから、古きよき喫茶店の雰囲気が色濃いチェーンだ。ロングセラー商品のコーヒーゼリー、ナポリタンなども、いかにも喫茶店で提供するメニューらしい、懐かしさを感じさせる。
「ふちねこ」が生まれたワケ
しかし2015年に50周年を迎えてからは、猫にちなむその店名を強調したキャンペーンや宣伝戦略を実施するほか、メニューにおいてもバリエーションを拡大。また、2019年後半からは積極的に新業態を展開するなど、方針転換を図ってきている。
その変化をわかりやすく感じさせるのが、現在も実施中の「ふちねこキャンペーン」だ。ふちねこはカップのふちにかけられる猫をかたどったフィギュアで、コーヒーなどのドリンク3杯分ごとに1つ、店頭でレシートを提示すればもらうことができる。
ふちにかけられるフィギュアの人気は、いわゆる“ガチャガチャのおもちゃ”である「コップのフチ子」(販売元:奇譚クラブ)に端を発する。SNS普及の流れと相まって、フチ子をさまざまなモノとともに撮影するという趣味が流行した。
シャノアールで「ふちねこ」のプレゼントキャンペーンを開始したのは、2015年の50周年記念がきっかけだったという。
「コーヒーハウス・シャノアール、ベローチェともに、毎日のようにご来店いただく長年のお客様も多くいらっしゃいます。
そうしたお客様への感謝の気持ちとして何かできないか、ということで始めたのがふちねこキャンペーンです。猫はもちろん社名にちなみますが、なおかつ、カフェと関係が深いカップにアクセサリーとしてつけられるものというのが発想のもとになりました」(シャノアール広報担当)
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