シャノアールと「ふちねこ」の意外と深い関係 カップのふちにかける「フィギュア」が人気

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2019年の6月からベローチェのメニューとして新発売したのが、ソフトクリーム、フレーバーのソースを混ぜ合わせて食べる、その名も「マゼリー」というスイーツドリンク。夏場のドリンクとしてはクラッシュした氷からつくるシェイクがありがちだが、シャノアールではソフトクリームを使用しているので、最後までミルキーな味が持続する。

新たな定番として期待がかかるスイーツドリンク、「マゼリー」。写真はいちごマゼリー(420円)(筆者撮影)

マゼリーはシンプルに思えるが、シャノアールの独自性を示すスイーツでもある。なぜなら、制作にソフトクリームサーバーが不可欠だからだ。コーヒーゼリーなど、ソフトクリームを使ったロングセラー商品が存在するシャノアールだからこそ実現できたスイーツと言える。

バリエーションは、コーヒー、黒蜜抹茶、いちご、ブルーベリーなどの定番に、季節代わりのフレーバーが加わる。1月8日まではプリンフェアに合わせ、プリンマゼリーがメニューに名を連ねている。

なお、プリンフェアは「プリンって、自由だ。」をキャッチコピーとし、飲むホットプリン「プリンホットミルク」「プリンケーキ」など、プリンをさまざまな食感、味で楽しむことができる。

このように、思い切ったメニューや宣伝戦略に、シャノアールの変化を感じることができる。

伝統を大切にしつつも新しいものを取り入れていく

「ただ、創業以来のコンセプトである“心地よい文化を日常に”は大切にしています。そのため、キャンペーンなどの販促物は店内にできるだけ掲示しないようにしています。お客様にくつろいでゆっくりお過ごしいただきたいという意図からです」(広報担当)

今後も伝統を大切にしつつも、新しい取り組みに力を入れていきたいという。その1つが、新業態の展開だ。2019年9月28日には、窯焼きスフレオムレツとスフレクレープの店「YELLOW MARKS」を渋谷にオープンした。

「コーヒーハウス・シャノアール、ベローチェなどのカフェ業態はこれまでどおり出店をしていきます。一方で、こだわりのスイーツや料理、お酒などをゆっくり楽しみたいなど、さまざまなシチュエーションを通じて、お客様にさまざまな価値を感じていただくことを目指しています」(広報担当)

スフレオムレツは、スフレ、具材、ロワイヤル(洋風たまごとうふ)の3層構造が特徴で、フライパンでなく窯でじっくり焼きあげることにより、ふわっとした食感を実現させたという。

今後シャノアールでは、カフェに並ぶ新たな収益の柱として、さまざまな新業態を展開する考え。過去にも試みとして新業態をオープンした経緯はあるが、本格的な展開は今回が初めてとなる。

「オムレツは当社としても初めてであり、得意分野であるとは言えませんが、もともとの社名の由来であるフランスにちなむ料理です。また、ふわっとした卵の中に、卵と相性のよい具材やトロッとしたロワイヤルがとじ込められていますので、驚きやワクワク感を感じられる料理であるということが大きなポイントとなっています」(広報担当)

コーヒーが210円(シャノアールは350円)と手頃な価格に、全国176店舗と、チェーンとしては中規模ながら、どこかハードルの高いイメージがあったシャノアール。歴史の長いチェーンであるということも、理由として考えられる。

今や、コーヒーはコンビニでも買える手軽な飲み物になった。コーヒーチェーンも新たな客層を取り込むべく、変化のときを迎えているようだ。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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