「儲けたい」と「モテたい」は焦りが禁物な理由 「下心と恋心」は「遠交近攻」の逆説で考える
多くのビジネスパーソンや起業家たちは、ビジネスモデルづくりに躍起になります。ビジネスモデルといえば、一般には儲けるための「仕組み」、ないしは「型」と理解されます。どうすれば、マネタイズ(収入を得る)ポイントを増やせるのか、どうすれば継続的に課金できるようになるのか、一生懸命に知恵を絞ります。ビジネスモデルのさまざまな「型」を紹介しているパターン集を片手に、あれやこれやと儲け方を考えるわけです。
そうやって、あれやこれやと儲け方を考えているビジネスパーソンがいるような会社は、当然、儲かっているのだろうと思えるかもしれませんが、実はそうとは限りません。特に、目先の利益ばかりを追い求めている会社は、自転車操業のような状態だったりもします。
そもそも、儲けたいと思って儲かるのであれば苦労しません。ことわざに「損して得取れ」というものがありますが、もう少し長期的な視野でビジネスモデルを考えるべきです。
実際に、持続的に収益を上げる構造づくりができている会社にインタビューしてみると、意外にも「収益の上げ方」を意識していなかったりもします。
そして、どのようにしてビジネスモデルをつくったのかと問いかけても、経営理念が語られたり、顧客にどのような価値を提案するかといった話ばかりが続くのです。要するに、儲けようとがっついていなかったわけです。
買い替えではなく、買い足し
スノーピークは、新潟県三条市にあるアウトドア総合メーカーです。毎年、キャンプイベントを開催し、世界にも類を見ないユーザーコミュニティを築き上げてきました。
ファンの中でも特に熱心な人たちは、「スノーピーカー」と呼ばれています。購入金額が累計300万円以上の顧客にはサファイアカードが送付され、さまざまな特典が与えられます。累計100万円以上がブラック会員、年間30万円以上がプラチナ会員、20万円以上だとゴールド、10万円以上がシルバーでそれ未満がレギュラーという6段階です。
ユーザー同士がイベントでお互いに仲良くなることも多く、他の仲間のテントに訪問することもあります。ベテランのスノーピーカーたちが張ったテントはとても美しく、タープや複数のテントと組み合わされて見事です。内装を見ても、工夫が凝らされて、スノーピークの製品が美しく配置されています。とても快適で使いやすい空間がそこにあります。お互いに優れものを紹介し合うので、「次は、これが欲しい」と夢が広がるわけです。
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