中国人民元、週間で過去最大の下げ幅 人民銀が介入強化、来週の全人代で改革案発表も

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2月28日、中国外国為替市場の人民元相場は、週明け以降対ドルで0.8%の下落となっている。週間下落率は過去最大となる可能性がある。北京で昨年5月撮影(2014年 ロイター/Petar Kujundzic)

[香港 28日 ロイター] -上海外国為替市場の人民元相場は下落し、週間ベースで過去最大の下げ幅となった。全国人民代表大会(全人代=国会)第2回会議を来週に控え、中国人民銀行(中央銀行)が元安誘導の介入を強化したことが背景。中国政府は全人代で市場改革案を発表する可能性がある。

人民元の持続的上昇を見込んだ投機資金の流入を防ぐため、人民銀は先週半ばから元の対ドル基準値を元安方向に設定したり、国有銀行にドル買いを指示するなど、積極的に元安誘導を進めてきた。

人民元の急落により、世界の投資家は中国経済の減速や高水準の地方政府債務、リスクが高まっている「影の銀行(シャドーバンキング)」への警戒感を一段と強めている。

人民銀の激しい為替介入で、この日のオンショア市場の人民元相場は対ドル基準値から1%下落。1日の変動幅が基準値から上下1%までと決められている許容値に達するのは2012年7月以来となる。

一部のアナリストは、向こう数日間はさらに元安が進むとみている。

人民元は一時、1ドル=6.1808元と前日終値比で0.8%超下落。人民銀はこの日の対ドル基準値を6.1214元と、前日の同値(6.1224元)より0.02%元高・ドル安に設定していた。

対ドル相場終値は1ドル=6.1450元と前日終値(6.1284元)比で0.27%の下落。週間ベースでは約0.9%安、月間では1.4%安といずれも過去最大の下げ幅となった。

東亜銀行のシニア市場アナリスト、頼春梅氏は「人民元のスポット相場が心理的に重要な水準である1ドル=6.20元よりも元安になる可能性は十分あり、早ければ来週にも起きうる」と指摘。その上で「元安が急速に進まなければ、元高期待の投機資金を根絶できない」との見方を示した。

人民元の対円相場終値は100円=6.0414元(前日終値5.9984元)、対ユーロ相場終値は1ユーロ=8.4250元(同8.3693元)。

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