43歳男が「マンションが欲しい彼女」と別れた訳 愛だけではどうにもならない"深い溝"

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佐藤さん(写真:筆者撮影)

しかし別れから3カ月程度経ち、徐々に穏やかな日常に戻った頃、急に彼女から連絡が来た。まだ佐藤さんは彼女に気持ちが残っており、やり取りをするうちに復縁することになった。

そうしてまた2人の付き合いは続くのかと思いきや、復縁から7カ月後、2回目の別れも唐突にやってきた。年が明け、彼女からの年賀状に、“今年も一緒にいようね”と書かれているのを読んでから1週間後の出来事だという。

「週末に遊びに行った帰りに、ごめん、私、貧乏したくないから別れたいってボロボロ泣きだして。つらい、寂しいと。寂しいなら一緒にいればいいのでは?と言っても話にならない。ただ、正直またこの感じかと思ったのも事実です。1回目に振られたときの衝撃が大きくて、もうあんな思いはしたくない、心底好きにならないよう気持ちにブレーキをかけていたかもしれません。またいつかダメージを与えられるんだろうと覚悟していたような」

ただ、佐藤さん自身も、彼女のネガティブ思考がいつか直るのではと期待していた部分もあったという。彼女が不安を口にするたびに「君は大丈夫だから」と寄り添い、彼女の考え方を軌道修正させようとしたこともあった。ただ、佐藤さんがどんなに励ましても聞く耳は持たず、逆に励ませば励ますほど、結果的に彼女の依存心は強くなっていくばかりだった。

家の中に、自分以外の誰かがいる生活

そもそも佐藤さんは、なぜ40歳を過ぎて独身なのか。佐藤さん自身はどう自己分析するのか。

「あらゆるチャンスを逃してきました。イイなと思った子にもうちょっとアプローチすればよかったのに、しなかったとか。20代後半では、遠距離恋愛していた子から東京に出てくると言われた瞬間、結婚の覚悟がなくて引いてしまったりしましたね。僕はモテるほうではなく、鈍感な面も多々あったけれど、30代半ばまではいつか結婚できると、余裕があったんだと思います。

それに……実は誰かとずっと一緒にいることが不安なんですよね。仕事先から帰宅して、今まで自分がボーっとしていたスペースに人がいると想像すると、少し複雑です。最初はよくてもずっとだと……」

それでも結婚には憧れる。「街に出て、お父さんとお母さんと小さい子どもの3人家族を見ると、自分にもそれくらいの子どもがいてもおかしくないなぁと。独身だというコンプレックスも若干はあるかもしれない。結婚したら、仕事で遅く帰ってきても奥さんがご飯を作っていてくれたらいいなぁ」。

今後の希望を聞くと「少しでもいいなと思った人が現れたら進もうと思います。相手が外出している時間は1人になれますし、何かを得るには何かを捨てるんでしょうし」。

子どもの頃は、ある程度の年齢になれば、誰でも当たり前に結婚するのかと思っていた。大人になった今、結婚にはお互いの自立が必要だし、自分が当たり前だと思っていた生き方や働き方は、相手にとってはそうでないことも少なくない。きつい口調も同様だ。相手のことをもっと想像することが大切なのだろうか。

結婚を目指すわれわれ独身者は、もっと自分の婚活を俯瞰し、分析する機会があってもいいのかもしれない。筆者はカウンセラーでも、結婚紹介所のプロではないが、同じく婚活中の独身者だからこそ、語り合えることもあるはずだ。この連載で一人ひとりと語り合いながら、よりよい婚活と結婚について、じっくり考えていきたいと思う。

 

この連載では、記事に登場してくださる方を募集しています。婚活中の方、男女問いません。ライターの松永さんと語り合ってみませんか?ご応募はこちらのフォームよりお願いします。
松永 怜 ライター

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まつなが れい / Rei Matsunaga

東京生まれ。千葉育ち。理学療法士として医療現場で10数年以上働いたのち、フリーライターとして活動。WEBメディアを中心に、医療、ライフスタイル、恋愛婚活、エンタメ記事を執筆。 好きな場所は甲子園と神宮球場。地方大会から高校野球の応援に行くことも。そのほかライブ鑑賞、アクリル画を描くことが好き。

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