勝ち組連合に公取が「NO」 混迷深まる電炉再編


 電炉業界再編の第一歩とも目された統合計画が頓挫した。10月16日、国内棒鋼シェア1位の共英製鋼と同3位の東京鉄鋼が、経営統合の中止を発表。3月の統合発表以降、両社は共同持ち株会社を来年4月にも設立する計画を推し進めていた。

だが、統合に関する事前相談を受けていた公正取引委員会が、10月に入り、「さらに詳細な審査が必要」との見解を示し、事態は一転。「2次審査まで行くケースは過去の例を見ても少ない。統合できたとしても事業売却などの条件をつけられかねない」(東京鉄鋼の太田高嗣取締役)との判断から統合断念に至った。

シェア拡大に公正取引委員会が難色

鉄鋼業界の中でも共英製鋼、東京鉄鋼は鉄スクラップを原料として建設用鋼材を製造する電炉メーカー。全国に大規模な製鉄所を展開する高炉5社に対し、電炉は地場メーカーが大半を占め、オーナー色も強い。「40社近くがひしめくオーバーカンパニー」(共英製鋼の高島成光会長)が常態化し、かねて再編の必要性が指摘されてきた。

最大手の東京製鉄など一部の業界大手を除けば、電炉が主力とする製品はマンション建設などに使う「棒鋼」と呼ばれる鉄筋資材。足元はマンション不況が直撃しており、各社とも軒並み3割を超える減産が続く。参入障壁が低いため、将来的には中国をはじめ海外メーカーとの競争激化も危惧されている。

こうした中、共英製鋼と東京鉄鋼は、棒鋼の中でも溶接不要な高付加価値品である「ネジ節鉄筋」を強化する道を選んだ。両社は2008年5月に技術提携を締結。同年末からは「ネジ中心にこれまでの実力を強化できる」(東京鉄鋼の吉原毎文(つねぶみ)社長)と経営統合へ話が発展。ネジ節鉄筋を武器に、業界で数少ない強者連合となるはずだった。

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