ナイツ塙「M-1優勝に大事なたった1つのこと」 「優勝するコンビ」「敗退するコンビ」の境界線

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――逆に、そこではっきり結果が見えてしまうという残酷な面もありますよね。

いま考えたら恐ろしいんですけど、僕らも1年目のときには自分たちは決勝に行けるんじゃないかと思っていましたからね。中川家さんが100だとしたらまだ僕らは1ぐらいのときですから、いま考えたら行けるわけがないんですよ。1回戦は勝ったけど、2回戦で敗退したんですよね。そのときにやっぱりわかりましたもん。差が結構あるな、って。

――全体の中で自分たちがどのくらいの位置なのかはっきりわかってしまうわけですね。

そうそう、はっきりわかるから残酷ですけど、面白いっちゃ面白いですよね。どうやってここを勝ち上がっていこうか、って。だけど、ずっと出ていると、6年目ぐらいからは『M-1』のいつもの大道具の人とかとも顔見知りになってくるから「君、今年も来たんだ。頑張ってね」って言われたりして。

今まではただオーディションされる側だったのが、なんとなく『M-1』側になってくるじゃないですか。そうすると空気感もわかってきて、こういうことをやるとウケるな、とか学習できるようになるんです。8年目で初めて決勝に行ったから早くはないかもしれないけど、6〜7年目くらいでわかりましたね。なんか違うことをやらなきゃいけないな、とか。気持ちだけだと無理だなっていうのがわかる。

――ネタの作り方を変えたのもその時期ですよね。

そう、ネタはいろいろ試してやってきたんですけど、2007年に言い間違いのやつをやったら、予選でものすごいウケて。それで1つ壁は破れましたね。準決勝に行って、その年に決勝に行ければよかったんですけど、行けなくて。その次の年に行ったんですけど。

ナイツが「3回連続」優勝を逃した理由

――それで2008年から2010年までは3年連続で決勝に残ったんですよね。見ていた印象では、ナイツは決勝でも十分活躍していたと思うんですが、ご本人としては全然ウケなかったと感じていたんですよね。

ああ、そうですね。ウケないし、テンポも悪いし、出来もよくなかったです。当時の映像はいまだに見たくないです。

――それは3回とも一緒ですか?

ああ、見てないです。録画もしていないし、別に見ようとはあまり思わないです。優勝できなかった芸人はたぶんみんなそうだと思いますよ。

――逆に言うと、そのくらい思い入れが強いということなんでしょうか。

そうかもしれないですね。だからよくなかったのかもしれないですけどね。1つのネタ番組くらいに思っておけば、もっと気楽にできたんでしょうけど。思い入れが強すぎると緊張して固くなっちゃいますからね。

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