日高屋が「ちょい飲み」路線を転換する事情 働き方改革で既存店が失速、新業態を模索
「勝ち組」と称されてきた外食チェーンが、ビジネスモデルの見直しを迫られている。
中華料理チェーン「中華食堂日高屋」を中核業態とするハイデイ日高の業績が足踏みし始めた。2019年3~8月期の業績は、売上高が前年同期比横ばいの211億円、営業利益は同11%減の22.8億円となった。
既存店売上高は2018年11月以降、12カ月連続で前年同月比割れを続けている。今10月の既存店売上高も同6.3%減と、一向に上向く気配を見せていない。
働き方改革で夜間客が大きく減少
ハイデイ日高は東京や埼玉、神奈川など、関東圏の駅前立地を中心に438店舗を展開している(2019年10月末時点)。仕事帰りのビジネスパーソンがアルコール飲料を少しだけ飲む「ちょい飲み」需要を開拓し、前2019年2月期まで16期連続で増収増益を達成。低収益性で苦しむ外食チェーンが多い中、売上高営業利益率も11%を超えていた。
飛ぶ鳥を落とす勢いの日高屋だったが、ここにきて失速し始めたのはなぜなのか。
1つは、強みとしていた夜間客の減少だ。同社の島需一取締役は「世間一般の会社が働き方改革を打ち出したため、ビジネスパーソンは早く家に帰るようになった。残業が減って収入が減少している影響も大きい」と語る。
同社が開拓してきたちょい飲み市場に、ライバルチェーンも続々と参入。さらに、「ここ1年くらいで、極端にアルコール飲料を値下げする店が増えた。アルコール飲料の価格を下げれば顧客を呼べると、多くの企業が知ったからだ」(高橋均社長)。その結果、夜に来店する顧客が減った。
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