2019年も残すところあと1カ月になった。季節はすっかり冬になったが、12月に支給されるボーナスや、年末の買い物など気になっているビジネスパーソンも多いだろう。
新卒で入社して定年まで働いたときに取得できる総額である「生涯給料」。東洋経済オンラインは、独自に算出した全上場企業の生涯給料を全国7地域(北海道・東北、東京除く関東、東京、中部、近畿、中国四国、九州沖縄)に分けてまとめている。これまで「東京都トップ500社」・「東京都ワースト500社」のランキングを紹介してきたが、第3弾として「東京を除く関東」に本社を置く会社のランキングをお届けする。
集計の対象としたのは、『会社四季報』に掲載しているうち、神奈川、埼玉、千葉、茨城、群馬、栃木の各県に本社を置く企業320社。単体の従業員数が20人に満たない場合や、平均賃金の発表がない企業は除いた。
各社直近の有価証券報告書の公開データと、厚生労働省が調査・公表している「平成30年賃金構造基本統計調査」の5歳刻み賃金額(所定内給与+賞与)から業種分類ごとに賃金カーブを算出し、それを各企業の平均年収と年齢に当てはめて試算した。あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。
グループ企業については、全体で連結ベースの年収を算出するのがベストだが、基本データとして使用している有価証券報告書のデータが単体会社のものであるため、単体の年収数字となっている。本社の中枢機能を担う社員しかいないケースが多く、年収が製造現場などの実態より上振れる傾向にある純粋持ち株会社も一部除いている。
神奈川県の企業がトップ10を占める結果に
1位はレーザーテックの4億0185万円。新横浜に本社を置くメーカーで、半導体マスク欠陥検査装置が柱。マスクブランクス検査装置のシェア100%という強みを持っている会社で、収益力が高い。今回のランキングで唯一推計4億円越えとなった。
2位はペプチドリームの3億8803万円。同社は東京大学の菅裕明教授の技術を基盤に設立したバイオ創薬ベンチャーだ。3位は東京汽船の3億8735万円。東京湾全域に展開する曳船大手で国内2位という会社だ。
神奈川県に本社を置く企業が上位11社まで占めた。超有名企業では横浜に本社を置く日産自動車が8位(3億0236万円)、食品大手キッコーマンが17位(2億7812万円)など上位にランクインしている。320社の生涯給料を単純平均すると2億1156万円。全国平均の2億2304万円と比べると少し落ちる結果となった。
一方、平均年齢が極端に高くなっているケースなど、会社によっては専門職や定年後の再雇用社員などを集計対象に含み、平均年収や平均年齢との関係から、推計値といわゆる正社員の実態との乖離がある場合もありうる点には注意いただきたい。