総合スーパーの苦悶、値下げ・食品強化策も振るわず、軒並み赤字!

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 店舗リストラは不完全 総合からの脱皮も

採算改善に向けて残された手段が、不採算店のリストラだ。これまでもダイエーが4月に3年間で約20店の閉鎖を発表。今期は上期に1店、下期は5店を閉鎖する計画だ。ヨーカ堂も今後、最大30店規模の不採算店の閉鎖を検討するという。

ただ、実際にどこまで進むかは不透明だ。05年にセブン&アイHDが誕生した際も、ヨーカ堂は08年2月期までに不採算店30店を閉鎖すると発表したが、「家賃低減が順調に進み、採算が向上した」(同社)と、現状では20店にとどまっている。イオンも08年、約60店舗の閉鎖計画を発表したが、岡田元也社長が今年に入り「計画のほとんどは業態転換になる」とし、当初の方針を見直している。

イオンは通期の増益予想を修正しておらず、「残業時間の圧縮などの経費削減や商品原価の引き下げで計画は達成可能」(岡田社長)とする。一方のヨーカ堂は「仕入れ値交渉や本部経費の削減に加え、個店主義で品ぞろえを徹底」(亀井淳社長)して黒字浮上を狙う。

だが、消費回復の糸口が見えないまま、いくら経費削減に努めても、GMS再生に向けた抜本的な解決策とはなりえない。今後のGMSについて、野村証券の正田氏は「総合という看板にとらわれず、思い切った商品の絞り込みが必要」と指摘する。業態存続への打開策は見いだせるのか。GMSはまさに正念場を迎えている。

(鈴木良英、田邉佳介、堀川美行 =週刊東洋経済)

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