総合スーパーの苦悶、値下げ・食品強化策も振るわず、軒並み赤字!
出そろった大手総合スーパー(GMS)決算の共通項は「赤字」だった。10月上旬に発表された中間決算は、セブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカ堂が1958年の創業以来初の営業赤字に転落。最大手イオン、3位ユニー、4位ダイエーのGMSも第1四半期に続き営業赤字に陥った。
バブル崩壊以降、右肩下がりが続くGMS業態。歯止めの利かない業績悪化の最大要因は衣料品の不振だった。衣料品は粗利率が35~40%と食品に比べ15%ほど高く、GMSの収益柱といえる部門。だが、低価格で高品質を売りとするユニクロなどの衣料品専門店に顧客を奪われ続けた。さらに昨秋のリーマンショックが追い打ちをかけ、苦境は深刻さを増している。
値下げ実施に加え食品路線も強化
もちろん各社とも手をこまぬいていたわけではない。対策の一つは目玉商品の投入だった。イオンは「衣料の改革なくしてGMSの浮上はない」(イオンリテールの村井正平社長)との掛け声の下、今年3月に夏物の機能性肌着を拡充し、前期比4倍の250万枚を販売。ヨーカ堂も同月、女性用のストレッチパンツを発売し、2カ月で50万枚に上るヒットとなった。
だが、ほかの商品が続かない。2009年2~8月期のユニクロの既存店売上高は前年比1割増だったのに対し、イオンのGMSの中核であるイオンリテール、ヨーカ堂の衣料品はともに1割近い減少。その差は縮まるどころか開いている。