総合スーパーの苦悶、値下げ・食品強化策も振るわず、軒並み赤字!

 衣料品の強化とともに各社一様に取り組んだのが、値下げだ。イオンは昨年10月から衣料品、食品、住居用品など計1000品目の一斉値下げを実施。今年3月には5100品目を追加値下げした。ヨーカ堂も08年11月以降、衣料品、住居用品の下取りセールやキャッシュバックセールを実施。3月には食品を含む2600品目、4月にも2400品目の追加値下げを敢行した。

だが、度重なる値下げ競争で粗利率は低下。客数増にはつながったものの、結局、採算低下を補うほどの効果は上がらなかった。

さらに衣料品不振の打開策として打ち出されたのが、食品部門の強化だ。「不況下でも生活の最重要品である食品は底堅い」(GMS関係者)というのが業界の常識。実際、衣料品や住居用品の売り上げが急降下しても、08年度の食品の既存店売上高は各社とも前年比ほぼ横ばいを維持した。そのため既存GMSの食品売り場をテコ入れするなど、食品強化への動きが目立っている。

ヨーカ堂は今期、主に既存店の業態転換で、食品中心のディスカウント店「ザ・プライス」を約20店出店する。イオンも例年10店以上出店していたGMSを、今期から3店程度に縮小する代わりに、食品主体の小型店「まいばすけっと」や、食品スーパーの出店へと方向転換した。ダイエーも今期の新店4店はすべて食品スーパーにするなど、GMSから食品スーパーへの流れは着実に進んでいった。

だが今期中間決算では、こうした路線の限界も露呈した。もはや「食品を扱うスーパーは過剰店舗状態」(野村証券金融経済研究所・正田雅史主席研究員)となり、GMS4社の既存店の食品部門は軒並み減収。ユニーの前村哲路社長も「食品スーパーなどに価格競争で負けた。部門を再構築する必要がある」と危機意識をあらわにする。

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