木下優樹菜のタピオカ恫喝騒動から何を学ぶか 「フォロワー530万人」の権力と裏腹のリスク
とりわけ木下さんのような芸能人や、成功を収めたビジネスパーソンは、権力を得るほど嫌悪や嫉妬の感情を受けやすく、支持者をはるかに上回るアンチを生んでしまいがち。そんなスケールリスクを甘く見ていたことが今回の活動自粛につながってしまいました。
また、木下さんへのバッシングで目立つのは、「もともと嫌いだったから見なくなってうれしい」「このまま二度と戻ってこないでほしい」という拒絶の声。芸能人もビジネスパーソンも「ファンが増えるほど、一定数のアンチも増える」ものですが、今回はほかの騒動と比べても際立ってアンチの数が多いのです。
これは今回の騒動というより、「木下優樹菜=ユッキーナ」というタレントのビジネス戦略によるものでしょう。
「本人のキャラクターをそのまま生かす戦略で、別の一面やスキルアップした姿を見せてこなかった」「フォロワーが多ければ、それ以上のアンチがいても気にしない」「アンチの存在を知っていても、彼らに対するケアをしない」など木下さんの戦略は、良く言えば「自由でイケイケ」、悪く言えば「無計画で勢いだけ」。だから今回のような逆境にはめっぽう弱く、本人が思っていた以上に拒絶の声が飛び交っているのです。
騒動発覚から1カ月の経過と説明責任
あらためて騒動を振り返ると、事の発端は、「木下さんが身内である姉の言葉だけを信じ、怒りの感情に火をつけた」こと。冷静さを失った結果、事実関係の確認をせずに1人よがりな正義感を持ち出して、会ったことすらない人を攻撃してしまいました。
しかし、ビジネスシーンでは、「家族のことだから冷静さを失ってしまった」という言い訳は通用しません。むしろ、「身内びいきにならないために、通常よりも冷静になるべき」という見方が常識。これは家族だけでなく同僚や友人のケースも同様で、「近しい人に関わることで冷静に振る舞えるか」はビジネスパーソンにとって重要な資質なのです。
また、今回の騒動とは異なり、「明らかに自分が正しくて、相手が間違っている」というケースでも、「だから何を言ってもいい」というわけではありません。相手を傷つけるためだけの言葉は、思っていたほどすっきりしないうえに、言霊のように自分の心をも傷つけてしまうので、どんな理由があったとしても避けたほうがいいでしょう。
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