木下優樹菜のタピオカ恫喝騒動から何を学ぶか 「フォロワー530万人」の権力と裏腹のリスク
目に余る言葉づかいの悪さに加えて、脅迫罪や侮辱罪を問われそうなフレーズが並ぶなど、弁解の余地はありません。ただこうした怒りの感情は木下さんに限らず多くの人々が「口に出さない、メール書かないだけで、心の中で思っている」ものです。
その意味で木下さんが犯した1つ目の失敗は、「ダイレクトメールを二者間のクローズなもの」と捉えていたこと。しかも相手が面識のない人ならなおのこと、「不特定多数にさらされるリスクがある」と思っておくべきでした。
LINE、ツイッター、フェイスブック、インスタグラムなどのやり取りは、すべて書面同様の物証。これがよほどわかっていなかったのか木下さんは後日、「対面で謝罪するのではなく、再度メッセージを送る」という2つ目の失敗を犯してしまいました。しかもそこに書かれていたのは、謝罪の言葉だけではなかったのです。
「円満に本件を解決したいと思っております」「親同士ですので、今回のことがずっと尾を引くようなことは、子供のためにも良くないと思います」「お店のことも含め『お互いに、誹謗中傷をしない』、『お互いに、第三者に話をしない』ということで解決させていただけないでしょうか」などと“口止め”とみなされかねないフレーズが混じっていたのです。
結果的にこれも世間にさらされてしまい、木下さんはさらなるダメージを負いました。短期間で同じ失敗を繰り返してしまったのは、「初期対応における真剣度が足りなかったから」と言われても仕方がないでしょう。
「ユッキーナ」のタレント戦略にも問題が
木下さんは「530万人ものフォロワーを持つママタレント・木下優樹菜」のことを俯瞰して見ることができていませんでした。木下さん自身は第三者に過ぎないにも関わらず、店長に強気の言葉を浴びせてしまったのは、おごりの表れ。「私は強い権力を持った特別な人間」「インスタで宣伝して稼がせてやっている」という自負がそうさせてしまったのです。
木下さんが犯した3つ目の失敗は、「自分はそれだけ大きな権力を持っている」というメリットにしか目がいかず、「自分はそれだけ大きなリスクを抱えている」というデメリットを自覚できていなかったこと。これは成功を収めたビジネスパーソンも同じで、自分を取り囲む支持者(SNSならフォロワー)が増えるほど、権力とリスクは表裏一体となって増え、たった1本のメールで影響力を見せつけることも、大バッシングを食らうこともありえるのです。
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