市場縮小をはね返せるか、ゼネコン一発逆転の秘策《特集・不動産/建設》

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第三の新しい潮流は、前田建設工業が提案している原価開示方式だ。

これまで、発注者たちの間には、「建設会社の提示する価格は信用できない」という声があった。というのは、複数の建設会社に競争させれば、すぐ受注価格が億円単位で変わることを経験してきたからだ。

一方、建設会社側から見れば、過当競争によって赤字受注が頻発するという事態になっている。低い受注価格は、結局、下請けへシワ寄せされたり、建物の品質低下という形で現れてくる。これでは「当事者すべてが不幸なのではないか」(前出の岐部氏)という思いが出発点となった。

そこで、発注者、設計者、施工者(前田建設工業)の三者が協議して工事の詳細を詰め、必要なコストを決定、請負の手数料を上乗せするという仕組みを編み出した。契約価格より安く完成した場合は、減額分を分配する。逆に高くなった場合には、増額分をペナルティとしてそれぞれが負担する。原価の信頼性は、第三者の監査法人に審査を依頼、会計報告を定期的に実施する。いわば建設価格の「見える化」だ。

この方式を発案した岐部氏は、「時代は透明性やコンプライアンスを求める方向に向かっている。その背景には失われた建設業の社会的信頼を回復しなければとの思いがあった」と語る。同社は、すでにこの方式で多摩大学湘南キャンパスなど3件の特命受注に成功している。

新しい潮流の浸透には時間がかかりそうだ。だが、業界の再生には、こうした変革が不可欠だろう。

(週刊東洋経済)

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