市場縮小をはね返せるか、ゼネコン一発逆転の秘策《特集・不動産/建設》

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

タブーのM&Aへ 舵切った高松建設

受注減→低採算の悪循環を断ち切るべく、新たな経営の潮流も一部の建設会社の間で生まれている。

その第一はM&Aだ。従来、建設業界では前向きなM&Aはあまり行われてこなかった。その理由は装置型産業と異なり、スケールメリットが期待しにくいこと。また、公共事業において2社が合併して1社になれば、入札の参加機会が半分に減ることなどが指摘されている。

しかし、収益力、経営力、財務体質などに優れる企業が、技術や事業分野で自分にない特色を持つ企業を傘下に収めることによって、シナジー効果を生み出すことは可能だ。

こうした観点から、積極的なM&Aを展開してきたのが旧高松建設(現在は持ち株会社化して高松コンストラクショングループ)である。

同社は地主に提案営業を行い、賃貸マンションの建築を特命受注する手法を柱に成長してきた。利益率が高く(最初のM&A直前の99年3月期の売上高経常利益率9・1%)、好財務(08年3月末の自己資本比率46・9%)が特徴だ。また談合にまみれていた官庁工事とも無縁で、官需依存の高い会社とは、経営のスピード感覚がまったく違う。

同社は00年度以来、6件のM&Aを実施した。その評価指標として株式時価総額を見ると、99年3月の200億円台から、現在600億円台に増加している(ちなみに鹿島の同時期で比較すると、3000億円台から2800億円台へ減少)。必要条件さえ整えば建設業界でもM&Aは有効であることを物語っている。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事