Eメールの時代は終わる?「Slack」の隠れた威力 CEOが語る経営、ものづくり、生い立ち(前編)
――ユーザーの利用パターンは非常に興味深いです。1日のうち、スラックにつないでいる(ログインしている)時間は平均9時間、実際に使っている時間は平均90分というデータがあります。それだけ仕事のインフラとして使われていると。
職場にいる皆の注目を1つの場所に集約することは、大きな価値を生む。例えば何か仕事上の質問をしたいとき、誰に聞けばよいかわからないことが多い。そんなとき、その質問に関係しそうなチャンネルに行けば、多くの情報を得られる。
さらに、企業は従業員が使うソフトウェアに年々多くのお金を使い、従業員はより多くの時間をさまざまなソフトウェアに使い、仕事をこなすようになっている。マーケティング分析など、スペシャリストのツールはどんどん増えている。
スラックが仕事の基盤になる
それらがすべてスラックと連携すれば、(同僚と)コミュニケーションやコラボレーションをしながら、より多くのことをこなせる。同僚の間の団結が強くなり、考えは鮮明になる。スラックのように社内の多くの人がやってくる場所では、外部連携は重要だ。
今は1800のアプリとつなぐことができるし、導入企業各社では開発者が社内システムとスラックをつなげるための開発をしている。ドロップボックスのリンクを貼れば簡単にファイル共有できるし、ツイッターのリンクを貼ればツイートがそのまま表示される。グーグルカレンダーの通知や招待も、スラック上でできる。
――アクティブユーザー数や課金企業数、さらには1人当たりの利用時間など、事業成長を表すさまざまな指標があります。最も重視しているものは何ですか。
指標はとてもたくさんあるし、ビジネスのどの部分を見るかによって変わってくる。ただ顧客の「姿勢」は重要で、それを表すのが継続的なエンゲージメントだ。1日でスラックを何分使って、いくつのメッセージを送っているか、ということよりも、1週間当たりで何日使っているかが重要だ。
ある週の火曜にメッセージをチェックして、その次の週の火曜にまたチェックするというのでは、スラックを使っている意味がない。毎日使ってもらうことが重要。とはいえ、われわれはフェイスブックではない。皆がスラック上に長い時間滞在したからといって、収入が増えるわけじゃない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら