夫を電車に乗せて消えた妻が抱えていた「症状」

その日はあまりに突然やってきた

女性は冷静に話そうとしても感情のコントロールがきかず、「このつらさをわかってほしい」という思いがうまく伝わらないもどかしさから、泣き出してしまったり、怒りを爆発させてしまったりする。でも、あとから自己嫌悪に陥って、ますます落ち込んでしまうという女性も多くいます。

40代後半の女性Bさんの場合は、更年期特有の体のだるさやイライラ感といった症状がありました。でも、当時はそれが更年期によるものだとはわからずに、夫に「体がつらくて料理ができない」「寝ていたい」などと訴えたり、イライラして当たってしまったりしていました。それでも夫は何も言わずに、Bさんの希望どおりにしていたので、Bさんは夫が受け入れてくれていると思っていました。

一方、夫はといえば、Bさんのイライラした態度やワガママとも取れる行動は性格の問題だと思っていて、仕方なく付き合っていたといいます。それでも、Bさんに振り回され続けた夫は、やがて耐えられなくなり、別居することになってしまいました。Bさんの心身の不調が更年期によるものだということに、どちらかが気づいて治療ができていたら、別居にまでは至らなかったかもしれません。

更年期による「熟年離婚」を避けるには

AさんやBさんのように、更年期を迎えてから別居や離婚に至るのを避けるためには、お互いに小さな我慢が積み重ならないように、日頃からコミュニケーションをとり、よく話し合うこと。何事も相手にやってもらって当たり前と思わずに、「ありがとう」をこまめに伝えることも大切です。

男性には、更年期の女性は環境の変化が激しい大変な時期を過ごしていること、さまざまな心身の不調を抱えていることを理解して、共感してあげてほしいと思います。パートナーが感情的になっていても冷静に受け止めて、まずは話を聞く。体調がつらそうだったら、できる家事を分担する。

ただ、これは不慣れな人がやると逆効果の場合もあるようです。「この前、夫が家事を手伝ってくれたんですけど、あまりにも手際が悪くて、余計にイライラしちゃいました」とこぼしていた患者さんがいました。家事が苦手な人は外食に出かけたり、家事代行サービスを頼んだりしてもいいでしょう。

気分転換に一緒に映画を観にいったり、スポーツをしたりするのもいいですね。逆に、お互いがそれぞれの自由な時間を持つことも、心の充足につながります。

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