しかしその後アメリカで生活していた時期があったのですが、Commonwealth Gamesの話題を振ってもアメリカ人は「???」という感じでまったく共感してくれず、ちょっと寂しい思いをしました。その後移り住んだシンガポールではCommonwealth Gamesの話がちゃんとわかる人たちで、ちょっとホッとしました。一口に英語圏といってもこんなにも国民の関心には違いがあるのだと実感しました。
ちなみに筆者の実家があるカナダは、アメリカの隣国でありながら、英国連邦の一員で通貨にはエリザベス女王の肖像が使われている一方、「トロント・ブルージェイズ」という野球のメジャーリーグのチームを有しています。もっとも、カナダの男の子に人気のスポーツといえばアイスホッケーで、実際男の子がいる家庭であればほとんど場合、アイスホッケーのスティックを持っているはずです。
とりとめがなくなってきましたので、最後に一応英語のコラムらしいことを言っておきます。
SNSの普及で「違い」が縮まりつつある
英語学習をしていると、アメリカとイギリスの違いは、いわゆるアメリカ英語とイギリス英語の違いというところに目が行きがちです。RやTを強く発音するとか、CenterではなくCentreとつづるとか。こうした違いはわかっておいて無駄ではないのですが、それよりもこれまで書いたとおり、一口に英語圏といってもいろいろな背景の違いがあることを理解しておくことも大切だと思います。
ただ、イギリス中心とアメリカ中心のような英語圏の中での違いが今後も続くのかというと、そうでもない気がしています。実際、ソーシャルメディアの普及によって、こうした違いは徐々になくなってきていると感じます。
例えば、今やアメリカでもイギリスでもSNSで話題になっているネットフリックスのドラマは日本の「テラスハウス」ですし、スポーツや動物の癒やし動画など面白い投稿は、国を超えてあっという間にインスタグラムやツイッターで拡散します(炎上もあっという間です)。
最近ではアメリカでも若いファミリーを中心にサッカーも人気が出てきています。また、昨年ロンドンで野球のメジャーリーグの試合が行われ話題になりました。これもSNSやインターネットの普及が関係しているのかわかりませんが、IT企業に身を置く者として、こうしたテクノロジーは世界のギャップをなくしていくもの、と期待したいです。
一方で、このコラムを読んでいる日本語圏の読者の皆さんは、「テラスハウス」がそんなに人気であることを知らないかもしれません。やはり英語圏であることと、そうでないことのギャップは残っています。英語圏のネットコミュニティーに身を置いていると、世界のすべての人が自分と同じ情報にアクセスしていると勘違いしてしまいがちなので、ここはちょっと気をつけたい点です。
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