「転勤族の妻」が正社員で働くのは無謀なのか

英語が堪能なのに好きな仕事に就けない

仕事において成果を上げるためには、その双方、つまり環境と自身の持っているスキルや経験が合致することが重要であり、合致して初めて成果につながるのです。

どこかの職場で優秀であればほかの職場でも優秀であるという保証はありませんし、反対もしかりなわけです。

近年は昔に比べて転職のハードルが低くなっていますが、その転職において着実にステップアップしている方は「環境×スキルや経験」のうち、環境=職場は変えるものの、スキルや経験は自己投資を通じて磨き上げ、一貫したものを持っている方であるケースが大半です。

つまり、前職での経験を生かして、さらに活躍できる場所を求めて転職するパターンです。反対に転職でつまずいてしまう方に多いのは、環境=職場は変えるものの、自分を持っていないパターンです。何となく今いる職場で芽が出ないから、場所だけ変えてみよう、というパターンですね。

自分にとっての「価値の源泉」を磨き続けるべき

多田さんの場合はその方程式のうちの「環境」は変わらざるをえないわけですから、少なくとももう一辺については不変であることで、場所によらないスキルと経験を突き詰めるというのがベストな選択肢でしょう。

そうすることで国をまたぐ生活が一段落した際には、積み上げてきたスキルと経験をもって、より条件のよい仕事を探せる可能性も高まるというものです。

その積み上げてきた一貫したキャリアというものは、いわば多田さんにとっての労働市場にいける「名刺」のようなものです。

その名刺、つまり多田さん個人としてのバリューが高ければ高いほど、環境が変わった際の選択肢も増えるというものです。

現時点においても、そういった一貫したキャリアがあるゆえに、期間限定となってしまうものの、職を見つけることができているわけですから、その多田さんにとっての「価値の源泉」を今後も磨き続けるべきです。

その価値の源泉を磨き続けることによって、場所を選ばずに働ける職業人を目指すというのが今注力すべきことです。

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