ところが、2021年卒では5月前半(7%)と大幅に減っている。内定出しの山は3月と4月にあり、連休以降の内定出しは減少する。このような早期化が起こった要因は、「通年採用」が容認されたからだろう。
通年採用がリアルな話題になったのは、昨年9月に経団連が指針撤廃を表明してからだ。また、今年4月に経団連と大学側は通年採用の拡大で合意している。
もっとも「通年採用」という言葉の定義ははっきりしない。文字どおりに解釈すれば年間を通じて採用を行い、新卒だけでなく既卒も含んでいる。しかし、実際には「低学年からの採用活動」や「3年生向けの早期の採用活動」という解釈があり、「通年=早期」という理解もある。
そのように考えれば、3年生の11月以前、12月の面接や内定出しも就活ルールに抵触していないと考えることができる。
新顔の「リファラル採用」とは
2021年卒採用では時期以外にも変化がある。新顔の採用施策が目立ってきた。
「2021卒採用でより重要になると思われる施策」を聞いたところ、トップは「インターンシップ」(46%)で半数近い企業がインターンシップを採用の主戦場と考えている。
続いて、「自社セミナー・説明会」(33%)、「キャリアセンターとの関係強化」(32%)、「学内企業セミナー」(29%)、「自社採用ホームページ」(25%)の項目が並ぶが、これらは採用の常道だ。
目新しいのは、「リファラル採用」(20%)だ。「就職ナビ」(18%)よりも多い。「リファラル(referral)」とは紹介、推薦を意味し、社員の友人・知人というネットワークを活用した採用手法だ。大学やサークルのOB・OGが後輩に対して働きかけを行うリクルーター制度も、広義のリファラル採用といえる。
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