安倍首相の提唱する『日本版NSC』は実現できるか?

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なぜ日本版NSCが必要なのか

 現在、日本にはNSCに相当するものとして、安全保障会議があります。この組織は1954年に設置された国防会議を承継、強化する形で、1986年に創設された組織であり、当時の中曽根政権による行政改革の中で、内閣の危機管理や安全保障機能を高めることを目的として設置されました。

 この安全保障会議は、1986年7月の設置から2006年8月までの約20年間に135回開催されていますが、あまりマスコミなどでは取り上げられていません。最近では、1999年の能登半島沖不審船事件や、今年7月の北朝鮮によるミサイル発射に際して会議が開かれましたが、外務省や防衛庁の決めた政策の追認機関になっている感があります。

 わが国の安全保障会議とアメリカのNSCとを比較した場合、相違点がいくつかあります。組織面では、安全保障会議が合議体の組織であり、スタッフは数十人規模であるのに対し、NSCは会議体と常設機関があり、その規模は約200人に上ります。機能面では、安全保障会議が政府内の調整と文民統制を担っているのに対し、NSCは政策調整機能と大統領への助言の他に、政策決定やその実施、時には秘密作戦まで行った事例があります。

 安倍総理の「日本版NSC」構想は、まだ具体化はされていませんが、ぜひとも実現してもらいたいと思っています。そして、安全保障のみならず、途上国への政府支援(ODA)、経済連携協定(EPA)の締結など『総合的なわが国の外交戦略を立案・実施』する体制を構築してもらいたいと考えます。

 現在、日本を取り囲む国際情勢は大きく変化しています。北朝鮮問題をはじめとする東アジアの不安定化、EU、NAFTAなどの地域的自由貿易の進展、核など大量破壊兵器の拡散などの問題に「政府を挙げて」「迅速に」対応するためには、首相官邸が主導権を持って外交政策の意思決定を行うことが不可欠です。

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