本日開業「スクランブルスクエア」は誰が行く?

若者の街から大人・ビジネスの街にシフト

ここまで渋谷スクランブルスクエア東棟の内部をざっと見てきたが、商業施設は全体的に上質、高級志向で、1970年代から続く「渋谷イコール若者」といったイメージとは明らかに一線を画している。

明治通りを挟んで反対側には2012年開業の「渋谷ヒカリエ」がある。こちらも開業当初は渋谷の新たなシンボルといわれ、広いオフィス空間の少なさから渋谷を離れたIT企業を再び呼び戻すきっかけとなったが、渋谷スクランブルスクエア東棟は、そのヒカリエをさらにブラッシュアップした施設であるといえる。

商業施設からポップな雰囲気は鳴りを潜め、近年日本橋、大手町、丸ノ内、銀座といったエリアに建てられている再開発ビルを意識しているように感じられる。交流施設も、ヒカリエにはクリエイティブスペース「8/」やコワーキングスペース「Creative Lounge MOV」が設けられたが、渋谷スクランブルスクエアではよりビジネスにおける共創を意識した「SHIBUYA QWS」となっている。

これらの点からもわかるとおり、渋谷スクランブルスクエア東棟は多くの面で高級志向、ビジネス志向を打ち出している。

若者のまちから大人のまちへ

渋谷スクランブルスクエアの運営側は、そのターゲットを「シブヤな人々」と表現している。その定義は「本物・本質を大切にする年齢にとらわれることのない生活者」、「毎日を自分らしく選択する都市生活者」、「楽しみながら豊かに人生を設計し、自分らしく輝く多世代の女性たちとその家族」などであるという。

ふわっとした言葉ではあるが、これは2000年代以降渋谷に集まりつつあるIT企業をはじめとする「クリエイティブ産業」の人々や渋谷に近いエリアに住む人々を想定しているものだ。

つまり、これまで渋谷のまちを盛り上げてきた若者文化を生み出し、支えてきた学生やそれに準じる年代を、渋谷駅周辺再開発においてはターゲット外とし、新たにクリエイティブ産業を中心とするオフィスワーカーや渋谷周辺に住む都市生活者を新しいまちの施設のターゲットに据えたと捉えることができる。

これは渋谷スクランブルスクエアに限らない。西口の再開発ビル「渋谷フクラス」内に12月5日開業する「東急プラザ渋谷」も、コンセプトメッセージを「大人をたのしめる渋谷へ」としており、明確に高めの年齢層をターゲットとしている。

こうした渋谷駅周辺の再開発で生まれる施設のターゲット設定は、今後の渋谷のまちを考える上で重要なポイントとなると思われる。

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