東急田園都市線の混雑は「分社化」で解消するか 沿線就業人口減るが、抜本的な対策は必要だ
東京急行電鉄は9月2日、社名から「電鉄」を外し「東急」に変更した。鉄道事業は10月に分社化し「東急電鉄」として、事業を継続する。ホテルや百貨店などの事業はもともと分社化しており、新生・東急に残る主要事業は不動産のみ。つまり東急は、10月以降は不動産事業を行う事業持ち株会社としてグループ各社の経営を統括することになる。
東急の高橋和夫社長は2日の記者会見で「鉄道が中核事業であることは変わらない」としたうえで、東急不動産ホールディングスとの関係についても「急に変化が起きることはない」と話し、社名変更によって東急グループの経営構造は大きく変わらないと強調した。
分社化する鉄道の今後は?
気になるのは、鉄道事業の今後だ。昨年9月の鉄道事業分社化の発表時に、東急の藤原裕久常務は、分社化する理由について「事業環境を取り巻く環境の変化へいっそうのスピード感を持って対応するため」と語っていた。分社化によって経営の意思決定を今までよりもスピーディーに行いたいという狙いがある。
首都圏のビジネスパーソンにとって、通勤路線の混雑度は気になるところだ。とりわけ、東急田園都市線は混雑する路線として悪名高い。
今年7月に国土交通省が発表した田園都市線の混雑率は182%。オフピーク通勤運動、大井町線へのシフト、定員数の多い新型車両の投入など、ソフト・ハード両面での努力が奏功して前年の185%から3ポイント低下したが、それでも首都圏の大手私鉄の中では東京メトロ東西線に次ぐワースト2位であることには変わりない。
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