メルカリはアントラーズと何を企んでいるのか 親会社の社長が突然子会社の社長になった訳
鹿島出身の父に連れられ、中1でサッカーの魅力にはまる
いつも夏休みになると、おじいちゃんの家に行った。周りは田んぼだらけ。何して遊ぶかといえば、家から近い、海に連れて行ってもらうくらい。子ども心に感じていたのは、何もない田舎の退屈さばかりだった。
1993年、Jリーグ開幕。
しかし、ある日突然、それは一変した。当時、中学1年だった少年は、Jリーグのスタートを機に完成した、カシマサッカースタジアムのオープニングゲームに連れて行ってもらった。
初めてのスタジアムでは、大きな歓声とチアホーンの音が鳴り響く。サッカー専用スタジアムの臨場感、そして見る人の“熱”に触れた。あっという間にサッカーの魅力にどっぷりはまった。
「アントラーズの存在によって、大きく発展していく地域の姿がありました。父は、自信満々に茨城の鹿島地域の出身であることを話すようになりました。それまでは、地域のことを話すなんてまったくなかったんですけどね。サッカー、そしてスポーツが持つ力を感じました」
2019年8月30日、Jリーグ開幕をきっかけにスポーツのとりこにされた13歳の少年は、鹿島アントラーズの代表取締役社長に就任した。その少年とは、メルカリ代表取締役社長である小泉文明のことだ。
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