株価が下落した時、個人投資家がとるべき行動 「日経平均1万6000円予想」への反省と真意
ただし述べたように、いずれ国内株価が下落基調に転じ、世界経済と企業収益の悪化に沿った株価水準に向かうと見込むので、来年の前半に日経平均が1万6000円近辺(~大きく2万円割れ)で安値をつける(その後は、これも以前から予想していたように、長期的な株価上昇基調に復する)といった形に、見通しを修正する。
当初は日経平均の安値時期として、今年央(2019年6~7月)と予想していたものを、「9月まで」に変更し、さらに「今年内」に変えていた。既に2度の先延ばしを行なったうえ、今回で3度目の修正となる。こうした見通しの誤りについては、多くの方にご迷惑やご心配をおかけしていると拝察し、深くお詫びしたい。
「書き手」と「読み手」の乖離とは?
9月ならびに10月の株価上昇を受けて、筆者のところには、ご批判、お叱りを多々頂戴している。これほど大きく予想を誤れば、お叱りは当然のことであると考える。
一方で、そうしたお叱りを承っていると、筆者が当コラムでお伝えしたいことと、読者の皆様の当コラムへの期待の間で、大きな乖離が生じている場合があるように感じられる。
当方がこういうつもりで書いている、という点は、もっと早くから明確にお伝えし、毎回当コラムのどこかに掲載し続ける、といった方がよかったのかもしれない。ただ、当方の意図するところをきちんと述べないまま、これ以上乖離が続くと、不幸な読者を増やしてしまうのではないかと考える。遅きに失した感はあるが、今回、まとめて述べさせていただきたい。
「日経平均が実態悪に沿って大きく下落するのではないか?」、という見通しは、年初辺りからずっと主張してきた。だが、その予想を提示することで、読者の方々に最もお伝えしたかったことは、「もし1万6000円程度に株価が下落しても、それは「想定内の下落」だと考えてください、うろたえてそこで株式や株式ファンドなどを、売却するようなことはしないでください」ということだ。
「そんなバカなことはしない」という賢明な読者が多いとは思うが、現実には、たとえば今年2万円に日経平均が接近したような局面で、若干の評価損で怖くなって、積み立て口座を解約した投資初心者も少なくない、と聞く。株価は短中期的には頻繁に上下動するので、粘り強く根気強く長い期間投資を続けてください、と、積み立てに限らず長期投資家に申し上げたかった面が大きい。
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