株価が下落した時、個人投資家がとるべき行動 「日経平均1万6000円予想」への反省と真意
また、一般の現物株投資やファンドへの投資を行なっている個人投資家の方から、セミナーで「1万6000円に株価が下落するのなら、思い切って全部売った方がよいのですか?」というご質問もいただく。
筆者は長期的には株価に強気で、もし今から1万6000円に下がっても、1~2年以内には株価が現在の水準を超えていると考えるので、「別に何もせず、そのままずっと持っていてもいいですよ、ただし1万6000円に下がってから怖くなって売ることはしないでください」と答えている。
もちろん、下がる可能性が高いのなら、そのまま保有して評価損が発生することは気分が悪い、という方も多い。そうした方には、セミナーでは「もし売却するのなら、現物で保有している株式やファンドを、若干額現金化して、大きく株価全般が落ちるまでしばらく待ち、下落時にその現金で買ってください、のんびりゆっくりやってください」と述べている。
目先の株価の上下動にうろたえずに長期投資を
ただ、東洋経済オンラインも含め、一般のメディアでは、基盤となるスタンスが異なる多くの書き手が、不特定多数の読み手に発信するので、書き手も読み手も、そもそも期待するものがばらばらになってしまう。筆者の場合は、述べたように、現物保有中心の長期投資家に、毎週や毎月の株価変動の背景を理解していただいて、目先の株価の上下動にうろたえず辛抱強く、長期的に投資を継続して欲しい、という意図から書いている。
一部の識者の間では、現物のデイトレードやスイングトレードなど比較的短期の売買、あるいは信用取引やオプション、先物取引などの、短期的・投機的に儲けを狙う売買を、「悪」だという向きもある。
だが、筆者は全く悪いことだとは考えてはいない。「自己責任」という言葉はよく誤って使われていると懸念するが、筆者が考える「自己責任」という意味は、責任と自由は表裏一体であるから、投資において自分でよく考えて判断し、その損益は自分でしっかり引き受けて、誰のせいにもしないのであれば、どのような投資を行なっても(法律などに反する行為を行なうのでない限り)全くの自由だ、ということだ。
どんなに投機的な取引であろうと、そのメリットとデメリットを理解して、誰のせいにもしなければ、そうした投機的売買に対して他人から批判される筋合いは全くない。
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