東京が「世界一危ない都市」と断定されたワケ 治安は「3年連続最高」でも別のリスクがある

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〇「2つの都市」ランキング
安全な都市ランキング(英EIU) 
1位 東京 
2位 シンガポール 
3位 大阪 
4位 アムステルダム 
5位 シドニー 
6位 トロント 
7位 ワシントンDC 
8位 コペンハーゲン 
9位 ソウル 
10位 メルボルン 

 脅威リスク都市ランキング(英ロイズ)
1位 東京
2位 ニューヨーク
3位 マニラ
4位 台北
5位 イスタンブール
6位 大阪
7位 ロサンゼルス
8位 上海
9位 ロンドン
10位バグダッド

言われてみれば、日本は確かに安全であり、同時に危ない国なのであろう。9月の台風15号では、成田空港が交通アクセス遮断で陸の孤島となり、約1万4000人が空港で足止めを食らった。鉄道もダメ、タクシーもダメ、空港内では水と食料が足りず、しかも携帯の電波もつながらない。もちろん外国人観光客は大混乱だったそうで、まことに気の毒なことながら、そういうリスクは確かにこの国にはある。

そうかと思えば、台風19号の翌日には横浜の日産スタジアムで、ラグビー・ワールドカップのプールA最終戦、日本対スコットランドが行われている。どうやら関係者の必死の努力によって決行となったらしいが、その結果、ブレイブ・ブロッサムズは値千金の勝利を得て、目標だったベストエイト入りした。仮に試合が中止となって、勝ち点2ずつを分け合っての決勝トーナメント進出となっていた場合、何とも気まずい思いをしただろう。というより、「それならむしろ、戦って負けた方がましだ」と大会関係者は考えていたのではないだろうか。

つまり、自然災害に振り回されることもあるし、雄々しく打ち勝つこともある。災害多発列島において、長年生きてきた民族のDNAみたいなものがあるのだろう。

まじめな話、この先の日本が自然災害の多発時代を迎えるとなると、河川や海岸、ダムに堤防といった既存の国土インフラは老朽化が目立つし、少子・高齢化時代においては更新やメンテナンスも容易なことではあるまい。おそらくは気象情報の精度向上や、避難訓練の実施といったソフト面
の充実を図っていく必要があるのだろう。

台風一過、株式市場は「災害に売りなし」とばかりに好調さが続いている。しかしわれわれは、リスクの高い国土でこれからどうやって生きていくのかを問われているのではないだろうか。何しろ昨今は、「災害は忘れた頃に」ではなく、「忘れる間もなくやってくる」時代であるようなのだ(本編はここで終了です。次ページでは競馬好きの筆者が週末のレースを予想します。あらかじめご了承下さい)。

次ページここからは競馬コーナー。「史上最高の秋天」の勝ち馬は?
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