トランプ弾劾が日本に与える結構デカいリスク より衝動的な外交政策を打ち出す可能性

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一方で「トランプ大統領の最近の一連の行動は、自身の決定が以前にも増して計算よりも本能と衝動に基づいていることを示している」(タイム誌の寄稿編集者でジョージタウン大学外交学部の非常勤教授のジョン・ウォルコット氏)との指摘もある。トランプ大統領は、中東などでは紛争を避ける傾向にあるが、弾劾の問題が深刻化すると、戦争を「国を結集させる手段」とみなすかもしれない、と同氏は警告する。

トランプ大統領の外交政策における不確実性は、東アジアにも影響を及ぼしそうだ。まず最も予測不可能なのが北朝鮮政策である。北朝鮮は来年から無制限の実験を再開し核兵器能力を増強すると脅している。

今月初めにストックホルムでの事務レベルでの対話を再開しようとする試みは失敗に終わったが、金正恩朝鮮労働党委員長は、依然としてトランプ大統領を直接交渉に引き戻したいと考えている。そこで「見返り」を与えることなく、制裁解除の約束を取り付けることができると考えているようだ。

再び戦争の危険性も

だが、弾劾により北朝鮮との双方の対話の時間がなくなれば、再び緊張が高まるかもしれず、再び戦争の危険性が浮上しかねない。

「北朝鮮がトランプ大統領に圧力をかけるため、再び中距離弾道ミサイル(ICBM)の実験を開始することはありえることだが、私の懸念は北朝鮮が状況を誤解することだ。アメリカでの混乱を踏まえて交渉が行き詰まると判断し、実験を強行するだけでなく、次のレベルの軍事力の行使に向かうかもしれない」と、アメリカ情報コミュニティの元上級北朝鮮アナリストは言う。

「これは非常に危険な作用と反作用のサイクルに火をつける可能性がある。特にトランプ政権が弾劾でもめているときにこうしたことが起これば、過去に見たよりさらに悪い状況をもたらしかねない」

米朝首脳会談が再度行われるかについて同氏は、北朝鮮側が慎重な構えを示すだろうと見ている。「弾劾手続きが進む中、金委員長をトランプ大統領と同じ部屋に座らせたいとは考えないだろう」と同氏は話す。「さらに、アメリカが混乱状態にあるとき、北朝鮮がアメリカと何らかの協定(とくに核開発計画に不可逆的な動きをもたらすもの)を結ぶということには懐疑的ではないか」。

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