米国製エリートが心酔する「幸福の授業」の中身 100万人が視聴「GAFA」著者の教えとは何か
22歳から34歳まで、ビジネススクールに行っていた以外、仕事のほかに思い出せることはあまりない。
この世界では、大きなものではなく素早いものが勝つ。まわりの人より短い時間で、できるだけ先に進むことを目指す。これができるかどうかは才能によるところもあるが、ほとんどは戦略の立て方と根気強さだ。ここにユーザーズ・マニュアルはない。
若いときの私は、仕事のために結婚、毛髪、そして間違いなく20代を犠牲にした。これはトレードオフなのだ。
若い頃にバランスを欠いた生活を送っていたことで、のちにもっとバランスの取れた生活ができるようになった。ただ、そこにはとても現実的な代償があった。
人間関係も「複利」で殖える
「この世で最も強い力は複利である」という古い言い回しがある。
貯蓄について考えることは若者にこそ必要なのに、彼らはそれをまったくわかっていない。それは「長期的」という概念を理解できないからだ。
才能あふれる若者の多くが、自分は超優秀だから大金を稼げると思っている。そう、たぶん……しかし万一、そうならなかった場合に備えて、早いうちから、何回となく貯金を始めよう。
それを貯金と考えるのではない。魔法と考えるのだ。1000ドルを魔法の箱に入れると、40年後には、それが1万ドルから2万5000ドルになっている。こんな魔法の箱があるとして、あなたはいくらそこに入れるだろうか。
こつこつ貯金をしていると複利で殖えることは、ほとんどの人が知っている。しかし多くの人は、それが人生のほかのことでも効果を発揮することには気づいていない。
ワン・セカンド・エブリデイは、毎日必ず1秒の動画を撮るためのアプリだ。毎日ほんの少しの時間を割くという投資である。
そして1年の終わりに、私は子どもたちと一緒に座って、その1年を凝縮した6分間の動画を見る。私たちは何度も繰り返しそれを見て、どこにいたかを思い出し、自分が映っていたら笑い、ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッターがどれほど楽しかったかを思い出す。
これはすべての人間関係についても言える。山ほどの写真を撮る、くだらないことで友人にメールする、昔の友だちとまめに連絡を取る、同僚を素直にほめる、そして毎日、できるだけ多くの人に愛していることを伝える。
1日にほんの数分のことだ。最初の頃の見返りはわずかだが、やがて大きなものになる。
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