家族サービスという言葉に感じる日本の残念さ 疲れすぎていてアムールを忘れていませんか

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フランスは「世界一労働時間が短い」国として知られています。だから、週末とか夜とか自分のための時間がとても長い。1日でいうと、仕事が終わってから「セカンドライフ」が始まるのです。日本と違うのは、フランス人は仕事が終わってから仕事の人と出かけることはほとんどないこと。それどころか、「完璧に違う人物」になるわけです。だから、夜遊ぶ友達が何をしている人か知らない、なんてことも。

もちろん、仕事が終わってから友人と遊んだり、趣味や勉強、ボランティアに力を注ぐ人もいます。ですが、レストランがほとんど2人席なのを見ればわかりますが、フランスは基本的に「カップル文化」なので、カップルで出かけることが少なくありません。

子どもがいるカップルでも、子どもを預けてデートを楽しむことは普通。余談になりますが、私の両親は私が生まれてからわずか3カ月後に、私を祖母に預けて2人で旅行に出かけました。しかもメキシコに! 日本だったら信じられないですよね。

デートのドタキャンに驚く

ウィークデーにカップルで会う場合、例えば午後6時とか7時に待ち合わせて、まずアペリティフ(食前酒)を楽しみます。そこでこれから何をするか話し合う。その後、映画や芝居、食事などに出かけるわけです。

そんなに会っていて会話が尽きないのかって? もちろん、人にもよるでしょうけれど、フランス人のカップルは本当にいろいろな話をします。例えば政治のようなシリアスな話から、互いの友人のことや次のヴァカンスの行き先、子どもや仕事のことまで。とくに互いの関係が微妙なときこそ、話し合う、コミュニケーションをとるようにします。もっとも、フランス人はカップルであろうがなかろうが、話し好きなんですけどね。

フランス人は自分の人生を楽しみたいと思っているし、限られた時間を有効に使いたいと考えています。せっかく時間を使うのなら、友達でも恋人でも「好きな人」「一緒にいて楽しい人」と過ごしたいと思うわけです。義理のために時間を使うということはあまりないですね。

いつだったか、付き合っていた日本人の男性に、「7時から急に会議が入ったから出かけられなくなった」とデートの直前になってドタキャンされたことがありました。こちらは朝から楽しみにしていたのにまさか直前に断るなんて! これには本当に驚きました。フランス人であれば、断る対象は「急に入った会議」です。

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