トヨタ、「ヴィッツ」を「ヤリス」に改名する理由 9年ぶりの全面刷新、競合とどう差別化するか

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また、「車両サイズのヒエラルキーにとらわれず、最新の先進安全技術の導入にこだわった」と吉田副社長が語る通り、「トヨタセーフティセンス」(TSS)はほぼすべてのグレードに標準装備される。

トヨタの吉田守孝副社長は「コンパクトカーの常識を越える性能を目標に開発してきた」と強調した(撮影:尾形文繁)

新型ヤリスに搭載されるTSSでは今回トヨタとして初めて、交差点を右折する際に前方から来る対向直進車や、右左折をした後の横断歩行者も衝突被害軽減ブレーキの検知対象とした。こうした安全装備を車両のサイズに関係なく導入するのは、サイズの大きい車から乗り換える「ダウンサイザー」の取り込みも狙っているからだ。「コンパクトカーだからこの程度でいいという妥協はしない」(吉田副社長)というのがトヨタの流儀だ。

新型ヤリスで新しいスタートを切る

他方、これまで日本でなじみのある「ヴィッツ」という車名を「ヤリス」に変えたのはなぜか。新型ヤリスの開発責任者を務める末沢泰謙チーフエンジニアは「社内には葛藤もあったが、お客様の常識を覆したものを提供していくとの思いが勝った。初代ヴィッツからすれば4代目、20年の節目になり、新しい車名で新しいスタートを切ろうと考えた」と語る。

新しいスタートは2つを指す。1つはコンパクトカー向けの新型プラットフォーム「GA-B」を採用したこと。トヨタは、今後はこの「GA-B」をベースにファミリーの車種を展開していくという。もう1つは2020年5月から始まる国内販売店の全車種併売化だ。

従来、国内市場ではトヨタ車は「トヨタ」「トヨペット」「ネッツ」「カローラ」という4チャネルで販売されてきた。「クラウン」はトヨタ店、「カローラ」はカローラ店、「アルファード」や「ハリアー」はトヨペット店のようにチャネル固有の専売車種もあったが、2020年5月以降はどのチャネルでもすべての車種を販売できるようになる。

現行ヴィッツは「スターレット」に代わる世界戦略車として1999年に初代が誕生して以来ずっとネッツの専売車種だ。ネッツチャネルは旧オート店が1998年にネッツ店に改名して誕生し、2004年にビスタ店と統合し現在の姿に至っている。 

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