悟空のきもち「51万人予約待ち」強烈人気の裏側

社員は女性だけ、連絡は全てLINEでオーケー

このように、癒やしを提供するサービスとしての枠を打ち破った「悟空のきもち」だが、そのほかにも企業という形態に収まりきれないさまざまな取り組みに挑戦している。

1つには、社員は全員セラピストで、女性限定。社長以下完全にフラットな組織であること。月に決められた勤務時間内であれば自由に組み立てられるシフト制で、急に休みたくなったときも、社員同士スマホのLINEネットワーク上で交替してもらう。「苦しい言い訳は双方が苦痛」だからだそうだ。

いつどの店舗に行くかもスタッフに任されている。お客はスタッフの出勤時間に合わせて予約を入れるので、スタッフにとっては「待ち」の時間がない。さらに、会議や朝礼といった強制的なコミュニケーションはいっさいしないという。驚くのは、人事面のゆるさ。面接なしでSPI試験のみで雇用し、退職もスマホでできるという。

スタッフの自主性を第一に考えて運営

スタッフの自主性を第一に考えたこうした運営は、金田氏自身が男性社会の縦型組織構造のなかで縛られ、苦しんできた経験が元になっている。

「店長の役職を置いたこともありましたが、退職が続出しました。今はスマホの一押しで退職できるのに、逆に定着率はアップして、退職する人は業界平均を大きく下回る数%レベル。女性は褒められてやる気を出す人が多い。管理せず自分の裁量でやってもらったほうが、きちんとした仕事をすると思います」(金田氏)

掛け布団や抱き枕として使える寝具「睡眠用うどん」(写真:ゴールデンフィールド)

将来の目標や計画もない。ヘッドスパの会社なのに、「うどん」「たわし」など飛躍した発想で寝具を開発し、、それが大ヒットして中国にまで売れている。ちなみにうどんは、2019年8月の発売時点で1万2000個を受注したそうだ。

「セラピストの女の子とごはん(うどん)を食べに行って、おしゃべりをしていて生まれた商品。会議で意見を聞きたいなんていうと、かえってアイデアも出てこないし、しゃべらなくなりますよ」(金田氏)

数値目標も計画もない。「〜しなければならない」というすべてのものを壊しながら、人気であり続けるのが目標だ。そのために、「暇さえあれば、SNSでお客様の声を拾っている」(金田氏)とのこと。これからも、誰もいない境地をオンリーワンで走り続けていく。

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