「当日配送」ベンチャーが都内で続々誕生の事情

中小配送会社を組織化し、新サービスを展開

一方、ドラッグストアなどで購入した商品を自宅に届けるサービスを展開しているのが、2015年設立の物流スタートアップ「ウィルポート」だ。柱となる配送サービス「ブラウニー」は、東京や大阪、広島の店舗を中心に300店と提携しており、約20万人の会員が利用している。

ウィルポートの藤原社長は「2020年中に500店舗と契約するのが目標」と意気込む(撮影:ヒダキトモコ)

セールスポイントは、注文から3時間以内に荷物を届けるスピード配送だ。過去には最短2時間配送の「アマゾン・プライムナウ」の配送を受託していた実績もある。藤原康則社長(59歳)は「常時300人ほどのドライバーが稼働しており、店舗から半径2キロ圏内における荷物の配送をこなしている。迅速かつ効率的な配送のカギは、自社開発の配車システムにある」と語る。

配送費用を負担しても実店舗にはメリット

流れはこうだ。レジでスキャンされた商品は、ウィルポートの配車システムに自動的に登録される。各エリアを担当するドライバーは、スマートフォンのアプリ上に表示される配送依頼を受け、直接店舗まで荷物を取りに行き、会員の自宅に届ける。

ユーザーが負担する配送料金は100円。配送費用の多くは店舗負担だが、藤原氏は「配送サービス利用者は平均購買単価の4~5倍ほどの商品を実店舗で購入する。(実店舗にとっては)コスト以上のメリットがある」と話す。

配送サービスを使えるのは会員のみ。消費者は提携する実店舗での決済時に、ウィルポートの会員カードを提示すれば、配送サービスを利用できる。会員カードに住所情報が登録されているため、消費者が配送伝票を記入する必要はない。「手軽に商品の配送依頼ができるので、月間の利用件数は2019年8月時点で3万9000件、前年同月比3割弱ほど伸びている。店舗にとっても荷物情報を登録したり、伝票を管理したりする必要がないのは大きい」(藤原氏)。

マジカルムーブやウィルポートなどの物流企業が当日配送サービスを展開する一方、荷主側も独自に配送網を構築し始めている。2018年9月から生鮮品ECモール「クックパッドマート」を開始したクックパッドだ。2019年9月末時点で地域の生産者ら47店舗が生鮮品を出品しており、店舗によって異なるが、朝8時までに注文を完了すれば当日中に配送してくれる。

次ページ配送は中小配送会社のドライバーが担う
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナショック、企業の針路
  • 「脱ゆとり世代」のリアル
  • コロナ後を生き抜く
  • 日本と中国「英語教育格差」
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
スペシャルインタビュー<br>元ラグビー日本代表・畠山健介

今年から米メジャーリーグ・ラグビーのチームに所属、華やかな選手生活とは裏腹に幾多の葛藤を乗り越えてきた畠山選手。「ラグビーファンの拡大には、リーグのプロ化が不可欠だ」。新天地にいる今だから見えてきた日本ラグビー改革論を熱く語ります。