2度婚約破棄された41歳男性がつかんだ幸せ 「汚物の臭いが生理的に無理」と言われた

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「僕は、どうしていつもこうなってしまうんだろう」

落ちこんでいた祐一だったが、しばらくすると気持ちを仕切り直して、お見合いの申し込みをかけ出した。彼のすばらしいこところは、何があっても腐らず、やるべきことは何かを考え、行動を起こしていくことだ。

高校時代に両親が離婚し、放り出され、金銭的に困窮しながらも、どうしたら自分が生きていけるのかを模索し、道を切り開いてきた。そんな彼だから、腐ったり止まったりしたら、そこには何も生まれないことを知っているのだろう。

淡々とお見合いを続けていく中で、このたび入籍をした工藤陽子(仮名、34歳)に出会った。洋子との付き合いは、祐一よりはむしろ、陽子のほうが積極的だったように思う。

付き合いが始まって、2カ月経った頃、祐一からこんな連絡がきた。

「陽子さんが趣味でやっているピアノの発表会があったので、聴きに行ったらお母さんがいらしていて、紹介されました。突然でびっくりしたけれど、『陽子さんとお付き合いさせていただいている藤岡です』とあいさつをしました。お母さんにお目にかかったし、陽子さんとは真剣交際に入ろうと思います」

諦めずに婚活を続けてよかった

陽子の父親はすでに他界していて、母1人子1人で暮らしていた。親との縁が薄い祐一は、陽子の母を思う気持ちにできるだけ寄り添いたいと思ったようだ。そこで、「洋子さんと結婚したら、お母さんと同居してもいいよ」と、申し出た。

その申し出に、結婚話はトントン拍子で進んでいった。プロポーズ、成婚退会。先日入籍を終えた祐一が、私のところに遊びにやってきた。そして、しみじみと言った。

「やっと結婚できました。長い道のりでした。でも、諦めずに婚活を続けてよかった」

“結婚をしてこそ一人前”という考えは、もはや古い。結婚するか、しないかは、個人が選択する時代。

そんな時代に祐一が選択したのは、家族を作るための結婚。母親の浮気による両親の離婚、その後父親からは金銭援助を断ち切られ、独りで生きてきた彼だから、温かい家庭を築きたいのだろう。

幸せな家庭を、これから地道に築いていってほしい……。

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラ

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